*11:05JST 酒井重 Research Memo(5):2027年3月期は流通在庫調整に伴う販売減速底打ちで、営業増益を見込む
■今後の見通し
● 2027年3月期の業績見通し
酒井重工業<6358>の2027年3月期の連結業績は、売上高で30,500百万円(前期比10.7%増)、営業利益で1,650百万円(同3.9%増)、経常利益で1,650百万円(同4.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,100百万円(同37.6%減)を見込んでいる。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となるのは前期に計上した特別利益の剥落による。
国内外の顧客の在庫調整に底打ち感が見られることから増収を見込むが、北米関税コストとインフレによるコスト増などから利益率は若干低下すると予想している。中東情勢の影響はこの予想に織り込んでいないが、その他の前提として為替は米ドル145円、トランプ関税の影響(コスト増)は300万ドルを見込んでいる。今後の進捗状況については四半期ごとに見直しを行い、必要に応じて開示していく予定だ。
■中長期の成長戦略
新中期経営方針を策定中で、2026年7月中に発表予定
1. 中期経営方針の結果と新中期経営方針
同社は2021年6月に、2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進した。定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE8.0%を掲げていた。既述のとおり、最終年度の着地は残念ながらこの目標を下回ったが、計画期間中である2024年3月期にこの目標値をクリアしており、一定の評価はできよう。
また現在、新しい中期経営方針を策定中であり、2026年7月下旬には発表する予定だ。この中期経営方針の詳細はまだ不明であるが、どのような内容になるかに注目したい。
2. ESGに対する取り組み
同社は、ESGに対しても積極的に取り組んでおり、様々な施策を推進している。特に足元では、以下の施策を進めている。
(1) 建設機械のCO2排出量削減
カーボンニュートラル実現に向けて環境省が取り組む「電動建機の普及促進」の一環として、「成田市首都圏中央連絡自動車道工事案件」において、同社の電動ハンドガイドローラ、電動コンバインドローラが採用された(同社にとっては初の電動ローラ有償貸出案件)。
また2026年4月、同社の電動ハンドガイドローラがローラとして初の「GX建機※」認定を取得した。今後、販促に注力する(電動コンバインドローラについても認定申請予定)。
※ GX建機:国土交通省が「GX建機認定制度」で認定したカーボンニュートラルに資する建機。環境省の補助金対象。
(2) 政策保有株縮減に向けた取り組み
同社では、資産効率改善のために「政策保有株式に関する方針」を2024年6月に発表し、政策保有株式残高の対連結純資産比率を20%未満とすることを目標に、政策保有株式の縮減を進めている。
この方針に沿って、2026年3月期末の政策保有株式残高は6,051百万円(前期末5,625百万円)となり、連結純資産31,677百万円(同30,130百万円)に対する割合は19.1%(同18.7%)となった。今後も、同比率を20%未満とする方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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