*11:04JST ケンコーマヨ Research Memo(4):調味料・加工食品事業は減益となるも総菜関連事業等は増益に
■ケンコーマヨネーズ<2915>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 調味料・加工食品事業
調味料・加工食品事業の売上高は前期比2.2%増の73,434百万円、セグメント利益は同20.6%減の3,094百万円となり、KPIとしているEBITDAは同8.4%減の5,120百万円、EBITDAマージンは同0.8ポイント低下の7.0%となった。既述のとおり、期間限定メニューでの採用数が減少したほか、商品統廃合の実施による販売機会ロスや価格改定時の一部失注の影響等により売上高は若干の増収にとどまり、利益面では価格改定のタイムラグや原材料費、固定経費等の増加により減益となった。
商材別の売上動向について、サラダ・総菜類は外食、量販店、CVS向けにポテトサラダが伸長し、前期比1.8%増の21,324百万円となり2期ぶりに増収に転じた。タマゴ加工品は、たまごサラダやゆでたまご、錦糸たまご等の一部の製品が増加したものの、全体的に販売数量が低調に推移し、売上高は同0.1%増の21,807百万円と横ばい水準にとどまった。マヨネーズ・ドレッシング類は10kgや1kg形態のマヨネーズが製パンや外食向けに増加したほか、ソース類も外食向けに増加したことで、同4.1%増の28,478百万円となった。
(2) 総菜関連事業等
総菜関連事業等の売上高は前期比4.1%減の18,180百万円と減収に転じたものの、セグメント利益は同16.4%増の1,004百万円、EIBITDAは同10.6%増の1,732百万円と2期ぶりの増益に転じ、EBITDAマージンも同1.2ポイント上昇の9.5%となった。
売上高は商品カテゴリーの拡大や高付加価値商品の開発による拡販に取り組んだものの、顧客先における内製化の影響が減収要因となった。利益面では、原材料費の上昇分を価格転嫁で吸収できたことや、相乗積(売上構成比×売上総利益率)の可視化により、採算重視の販売戦略を推進したこと、高付加価値商品の拡販に取り組んだことなどで売上総利益率が改善し、増益要因となった。
(3) その他
その他には連結子会社サラダカフェで展開するサラダ専門店の収益が含まれている。売上高は前期比14.1%減の740百万円、セグメント損失は35百万円(前期は3百万円の利益)となった。採算の厳しい3店舗を期中に閉店したことが減収要因となり、利益面では原材料価格高騰による売上総利益率の低下や減収に伴う固定費率の上昇が減益要因となった。
有利子負債の減少が続き、自己資本比率は60%台と財務内容は健全
3. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の資産合計は前期末比157百万円減少の63,922百万円となった。流動資産では、売掛金が379百万円、たな卸資産が1,186百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が2,241百万円減少した。固定資産は無形固定資産が245百万円減少した一方で、退職給付に係る資産が318百万円増加したほか、新東京本社移転に伴い差入保証金が208百万円増加した。
負債合計は前期末比1,758百万円減少の22,358百万円となった。有利子負債が686百万円減少したほか、未払法人税等が620百万円、電子記録債務が631百万円減少した。また、純資産は同1,600百万円増加の41,563百万円となった。自己株取得に伴い自己株式が1,002百万円増加(減少要因)した一方で、利益剰余金が2,225百万円増加したほか退職給付に係る調整累計額が271百万円増加した。
有利子負債の減少と利益剰余金の増加等により、自己資本比率は前期末比2.6ポイント上昇の65.0%となった。ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)は前期末比で減少したものの、80億円以上の水準を維持しており、財務の健全性は高いと判断される。また、同社は中長期経営計画のなかでM&Aも含めた積極投資により成長を加速させる方向性を示しており、財務面のKPIとしてネットD/Eレシオ((有利子負債-現金及び預金)÷株主資本)を用い、長期的に1.5倍以下の水準になるよう資金コントロールする方針を示した。2026年3月期のネットD/Eレシオはマイナスの0.21倍であり、M&A等で急な資金需要が発生した場合でも、借入金で賄うことは十分に可能と見られる。
収益性については、EBITDAマージンとROICをKPIとしている。中長期経営計画の第1フェーズ(2025年3月期~2028年3月期)では、EBITDAマージンで7.0%、ROICで6.0%以上の水準を目標として設定しており、2026年3月期の実績はEBITDAマージンで7.5%、ROICで6.3%とそれぞれ目標を達成した。中期経営計画の最終年度(2036年3月期)にはEBIDAマージンで12.0%、ROICで9.0%以上を目指しており、今後はBXを推進することで収益性のさらなる向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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