*11:07JST システムズD Research Memo(7):新中計の初年度2027年3月期は、増収増益で過去最高業績更新へ(2)
■今後の見通し
(2) 財務・IR戦略と企業文化
東京証券取引所がプライム市場及びスタンダード市場の上場企業に対して求めるPBR1倍以上を達成するため、システムズ・デザイン<3766>は2024年5月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を取締役会で決議し、継続的なアップデートを行っている。同社グループのPBRは過去おおむね0.6〜0.7倍で推移していたが、2026年3月期中には何度か1倍超えを記録するなど着実に改善しており、2026年3月期末時点では0.85倍となった。第9次中期経営計画においても、PBR1倍割れの解消を必達目標に掲げ、さらなる向上を目指す。具体的には、PBRを構成する要素である「ROE×PER」の改善に向けた戦略を展開する。ROEの改善に向けては、前述した事業戦略を推進するとともに、累進配当方針の継続及び利益還元のさらなる拡充を目指す。また、PERの改善に向けては、社員の働きがい向上やSDGsの推進といった非財務戦略の各種施策を展開するとともに、IR活動を一層強化する。なお、中期経営計画期間のキャッシュフローアロケーションの前提となる同社グループの現預金残高は、2026年3月期末で約32億円である。このうち17億円は経営の安全性も考慮した運転資金等となる。残り約15億円を成長投資に向けた余裕資金と同社は認識しており、M&A及びマイノリティ投資、研究開発に振り向ける計画だ。また、中期経営計画期間中におけるのれん償却等を含む想定営業キャッシュフローを約15億円とみており、株主還元の強化や人的資本・サステナビリティ関連の投資原資とする。結果として、合計約30億円を持続的な事業成長及び企業価値向上に充当する方針だ。
新中期経営計画の基本方針である「環境・社会への貢献の推進」「多様な人材の活躍と健康経営推進」「透明性の高い健全なガバナンスの実践」などを実行し、持続的な企業価値の向上を図るため、2024年9月に設置したサステナビリティ推進委員会のもとでマテリアリティ(重要課題)の解決に全社を挙げて取り組んでいく。以下に、非財務戦略に関連する各種施策のこれまでの動向を「環境(E)」「社会・人的資本(S)」「ガバナンス(G)」の観点から整理する。これらの施策は、第9次中期経営計画においても強力に推進していく方針である。
・環境(Environment)への取り組み
脱炭素社会の実現に向けてScope1、2、3の温室効果ガス排出量の算定を完了し、2025年10月には国際的な基準である「SBT認定」を取得した。今後は2035年の大幅な排出量削減目標の達成に向け、具体的なアクションを推進する。また、資金使途の面においても、自治体が発行するESG債券への投資を継続して実施している。
・社会・人的資本(Social)への取り組み
社員の働きがいと企業成長を両立させるため、多角的な人的資本投資を実行している。処遇面では、目標としていた正社員の賃金10%アップを第8次中期経営計画で達成したほか、従業員持株会の奨励金を拡充したことで会員数が約80%増加し、エンゲージメントの向上につながった。人材育成においては、自律的な学びのシステムや等級別ラーニングパスを導入し、継続的なエンジニア育成及びリスキリング文化の醸成を進めている。また、本社移転などによる職場環境の改善や人事制度の見直しを通じたワークライフバランスの向上、さらにはグループ会社を含めた「ユースエール認定」及び「健康優良法人認定」の取得など、健康経営の推進にも注力している。多様な人材が活躍できるDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進においては、第8次中期経営計画の目標であった女性管理職比率15%以上を達成した。さらに、2026年1月には新たにDE&I推進ワーキンググループを立ち上げ、より一層の環境整備を進めている。今後はAIの活用による業務改革を通じ、業務効率の改善及び社員のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上も追求していく。地域社会への貢献としては、行政と連携した障がい者の職場実習支援や、障がい者が制作した絵画及びフラワーアレンジメントの本社設置、全社イベントでの福祉施設製品の提供など、独自の継続的な支援活動を行っている。
・ガバナンス(Governance)の徹底
企業倫理に基づく公正で健全な企業であり続けるため、過去のマイナンバー制度に絡んだ法令違反による信用失墜の教訓を風化させない取り組みを徹底している。具体的には、担当事業部門を中心とした年1回の「Compliance Day」の実施や、役職者以上の「個人情報保護士」資格取得を通じて、内部統制及び双方向のコミュニケーションを絶えず強化している。さらに、より透明性の高いガバナンスの実践と国際的な要請に応えるため、2025年11月には新たに当社グループの「人権方針」を策定し、対外的な開示を行った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)
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