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【注目トピックス 日本株】セレンディップ Research Memo(2):モノづくり事業承継プラットフォームを核にM&Aを推進

*11:42JST セレンディップ Research Memo(2):モノづくり事業承継プラットフォームを核にM&Aを推進
■セレンディップ・ホールディングス<7318>の会社概要

1. 会社概要
日本のモノづくり産業は中堅・中小企業が大多数を占めるが、少子高齢化による後継者難や近代経営の複雑化・高度化を背景に、高い技術力・製品力がありながらも事業の継続が困難になっている企業が多い。また、そうした企業は、経営管理体制の構築や経営資源の確保が十分ではなく、生産性が低く稼ぐ力が弱いといった課題も抱えている。

同社は、「日本の中堅・中小製造業を世界に誇れる100年企業へ」というミッションを掲げ、事業承継などに課題を持つ日本の中堅・中小製造業に対し、事業承継のトータルソリューションを提供している。M&A実行基盤、経営管理基盤、モノづくり基盤の3つの基盤からなる「モノづくり事業承継プラットフォーム」をビジネスモデルの核とし、ロールアップ型M&Aで取得した企業を、PMIやグループ統合を通じて企業価値向上を実現するノウハウを強みとしている。

2. 事業内容
同社は、事業承継のトータルソリューションカンパニーとして、独自のソーシング機能を有するM&A実行基盤を活用し、事業承継を目的としたM&Aと、PMIを通じた経営改革・企業価値向上を一体で提供している。事業は、安定した収益基盤を担うモノづくり事業と、DX・ロボット・AIなどの高成長・高収益領域を担うソリューション事業で構成される。両事業を通じて事業承継に関わる様々なニーズにアプローチするとともに、ホールディングスとして投資先企業を支え、企業間シナジーの創出に努めている。また、同社は原則として投資先企業の売却を前提とせず、長期保有を基本方針としている。なお同社は、2026年6月に策定した新中期経営計画に合わせて報告セグメントを見直し、従来の3事業からモノづくり事業、ソリューション事業を中心とした事業区分へ変更した。

(1) モノづくり事業
モノづくり事業は、国際競争力が高くサプライチェーンが強固な分野を中心に子会社化を進め、自動車部品を中心としたロールアップを軸として、安定的なキャッシュを創出する事業である。現在、オートモーティブサプライヤーとして、吸遮音性と軽量化で定評のある自動車内外装部品製造や樹脂加工製品の企画販売・グローバル購買/調達・物流を行うセレンディップ・オートモーティブ(株)(傘下に三井屋工業(株)・エクセル・グループ)、自動車の精密部品や金属部品を製造するユニクレア(株)、自動車のめっき・表面処理を手掛ける(株)サーテックカリヤを擁している。また、2026年7月には油圧ショベル・クレーンメーカー向けにパーツなどを製造・販売する日建産業を子会社化した。顧客にトヨタ自動車<7203>系列のメーカーが多いという特徴を持つ一方で、新領域への拡張やM&Aを通じて他系列のメーカーとの取引も着実に増えている。

(2) ソリューション事業
ソリューション事業では、DX・ロボット・AIなどの高付加価値ソリューションや、試作・デザイン領域を通じて、製造業や中堅・中小企業が抱える経営課題や技術課題の解決を支援している。

FA装置メーカーの天竜精機(株)、IT・製造コンサルティングやDX支援を行うアクストリア(株)、協働ロボットの導入支援を行うセレンディップ・ロボクロス(株)の3社は、企業の生産性向上や省人化ニーズの高まりを背景にDX・RX・AX※に関するソリューション需要が急速に拡大するなか、スマートファクトリー領域において、導入コンサルティングからシステム開発、ロボット導入、運用改善までを一体的に提供している。

※ DX:Digital Transformation、RX:Robotics Transformation、AX:AI Transformation。

なお、製造業のDX・スマートファクトリー化支援を強化するため、アクストリアは2026年8月にアクセンチュア(株)から、製造業のDXやスマートファクトリー化を支援するソリューション群「Quickシリーズ」の事業を譲受する予定である。

試作品開発を手掛ける(株)アペックス、業務用美容機器の(株)レディーバードは、試作・デザイン領域を担っており、顧客の商品企画・開発段階から関与することで、量産段階にとどまらない高付加価値ソリューションを提供している。

3. ビジネスモデル
同社のビジネスモデルは、「モノづくり事業承継プラットフォーム」を活用し、M&A実行基盤による非連続的成長と、PMI・バリューアップによるオーガニック成長を組み合わせることで、投資先企業の企業価値向上を図る点に特徴がある。

M&A実行基盤は、独自のソーシング機能や幅広いネットワークを活用し、成長戦略やオーナー経営者のニーズに応じたロールアップ型M&Aなど長期投資を中心に様々な投資手法で成り立っている。経営管理基盤は、PMIを中心に、財務・法務面のみならず経営変革全般に主眼を置いたデューデリジェンス、プロ経営者チームによる経営支援、同社によるバックオフィス業務支援などで構成される。モノづくり基盤は、スマートファクトリー化による生産性向上に加え、研究開発投資、グループ間クロスセルや海外展開などを推進し、持続的なバリューアップを実現している。

具体的なビジネスフローとしては、ロールアップ型M&Aで取得した企業を、PMIを起点に段階的な改革(見える化〜ムダ排除・生産性向上・DX活用〜シナジー)によって経営を効率化し、さらにDX・RX・AXによってスマートファクトリー化を進めたうえで、グループ内の企業を統合して単品メーカーからユニットサプライヤーへの進化を促す。これらにより企業価値の最大化を図っているが、なかでもグループ内統合は他社にない強みである。ロールアップ型M&A企業が陥りがちな管理限界を回避しながら、系列・技術・国の壁を越えた横断的な営業・開発・供給体制を構築できる。また、M&AやPMIを通じて成長を支える経営人材を創出できるだけでなく、経営管理基盤とモノづくり基盤によりグループ内でPoC(概念実証)を進めることで、より実効性の高いソリューションの外販も可能である。なお、実績を背景にオーナーの意向を汲んで交渉をするため、適正価格で高品質なM&Aを実現できている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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