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平均寿命が延びたことで注目を集める「トンチン年金」とは?

長生きするほど得をする「トンチン年金」とは?

 日本人の平均寿命が男性80.98才、女性87.14才(厚生労働省・2016年の「簡易生命表」参照)と延びている今、時代の風潮を受けて2016年に誕生したのが「トンチン年金」が注目を集めている。

 死亡保障を減らすことで、生きているうちに受け取れる年金額を増やす仕組みで、50代なら10年以上の払い込みで原則、一生涯年金を受け取ることもできる。ただし、元が取れるのは平均寿命より+5才以上。男性なら86才、女性なら93才以上にならないと元は取れないが、逆に、長生きほどお得になる。

 トンチン年金という名前は、17世紀イタリアの銀行家、ロレンツォ・トンティに由来する。トンティは、当時のフランスの財政難を救うため、国民から集めた保険料を運用し、利息分のみを年金として支払えば、年金原資分が国家に入るという仕組みを提案したという。欧米では17世紀に販売が開始され、フランス、オランダなど各国で人気を博してきた。

 日本で初めてトンチン年金を発売した日本生命の「Gran Age(グランエイジ)」は大ヒットしている。その他にも、短期払い(最短5年間)にすると返還率がアップする第一生命「ながいき物語」や、保証期間が最長となるかんぽ生命「長寿のしあわせ」、さらには太陽生命の「100歳時代年金」などの商品がラインナップされている。

 資産を現金で持っていると、詐欺に狙われたり、不要な金融商品を買わされるリスクもある。投資は、認知症になれば売買できない。それなら、契約した年金開始年齢になれば毎月数万円が入ってくる、トンチン年金は、意外に使い勝手がいいのかもしれない。

「ただし、元本割れの可能性もあるので、全財産を投入するのではなく、資産の一部をあてる方がおすすめ」(ファイナンシャルプランナー・竹下さくらさん)という。

※女性セブン2018年3月29日・4月5日号

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