マネーポストWEB「マネーポスト」公式サイト

FX

ドル/円相場 反転するのに時間はかかるが下げ始めると速い

2016年1月5日 16:00

 昨今の世界情勢の混沌や、原油安などからドル/円相場は上がったり下がったりを繰り返し、素人には今後の展開をなかなか予測しづらい状況にある。 30年以上の経験を持つ為替のスペシャリストで、バーニャマーケットフォーカスト代表の水上紀行氏が今後のドル/円相場の展開について解説する。

バーニャマーケットフォーカスト代表・水上紀行氏

バーニャマーケットフォーカスト代表・水上紀行氏

* * *
ドル/円は、2011年の東日本大震災の発生により、日本国内すべての原発が停止し、代替エネルギーとして石油や液化天然ガス(LNG)を大量輸入する ことになったため、日本の貿易収支は赤字に転落しました。そして、ドル/円相場は、貿易赤字になることによって、それまでの貿易黒字の時代とは全く異なる 展開となりました。

つまり、グイグイと押し上げるように大幅に上昇した後も、それ程の調整的な下押しがないままに高止まりしました。

これは、貿易赤字になると輸入の方が多くなり、海外への輸入代金支払のためのドル買いが増えるためで、それまでの、物を輸出して代金をドルで受けとって円に換える、つまりドル売りが多かった時代とは全く異なりました。

日銀の金融緩和もあって、2012年から3年半で約50円弱のドル高円安となりました。 ところが、2014年7月から原油が急落し、2014年 後半、さらに2015年に掛けて、貿易赤字は劇的に減少しました。これにより、今までの貿易赤字によるドル買いは大きく後退しており、つまりドルの下支え は脆くなっています。

また、ドイツ銀行の巨額債務やフォルクワーゲンの不正問題などドイツ発のリスクが発生した場合、リスク回避の円買いが大きく出るものと思われます。

尚、今のところ高値圏を維持しているのは、まさに3年半という短期間に50円弱もの上昇をしたためだと見ています。たとえて言えば、巨大なタン カーは、曲がるにしても、時間を掛けて方向転換をするようなもので、ドル/円も反転するにはそれ相応の時間がかかるものと思われます。

ただ、いったん下げ始めると速いと思います。当面110円近辺を目指すものと思われます。

ところで、中国の景気後退により、中国向け輸出の減少で貿易赤字が増えるということは、実際に起きています。ただし、原油安による貿易赤字の減少 の方が、はるかに貿易収支に与える影響は大きく、貿易赤字の減少は、多少のブレーキはかかったものの、継続するものと見ています。

※マネーポスト2016年新春号

  • 円高? 円安? 先行き不透明な今の円相場で短期的に利益を狙う方法
  • 顧客満足度3年連続1位!餃子が大量にもらえるFX会社?
  • 2017年春号(3月1日発売号)

    大特集は〈平成ラストバブルの号砲〉。戸松信博氏、藤井英敏氏らがこれから大化け期待の個別株をランキング形式で紹介。西堀敬氏によるIPO投資の最新攻略ガイドの他、橘玲氏、森永卓郎氏らによる連載も充実。定価620円。お早めにお求めください。

    当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

    水上紀行ニュースフラッシュ

    2017年春号(3月1日発売号)

    大特集は〈平成ラストバブルの号砲〉。戸松信博氏、藤井英敏氏らがこれから大化け期待の個別株をランキング形式で紹介。西堀敬氏によるIPO投資の最新攻略ガイドの他、橘玲氏、森永卓郎氏らによる連載も充実。定価620円。お早めにお求めください。

    当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

    小学館雑誌定期購読小学館のプライバシーステートメント問い合わせ広告掲載について

    © Shogakukan Inc. 2017 . All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. 掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。