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ビジネス

グーグル、アップル…巨大IT企業への「デジタル課税」は実現するか

アップルへの課税は端緒でしかない(時事通信フォト)

 EU(欧州連合)の欧州委員会は7月18日、米グーグルに43億4000万ユーロ(約5600億円=1ユーロ130円換算)の制裁金を支払うように命じた。基本ソフト(OS)のアンドロイドを搭載する携帯端末に、自社のアプリをプリインストールさせ、公正な競争を阻害したと判断したもの。

 このように、欧州委員会はグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンなど巨大IT企業に対し強硬姿勢をとりはじめている。

 背景にあるのは「課税逃れ」だ。今年4月にはアップルとアイルランド政府がEUの欧州委員会の指示に従って追徴課税することで合意した。アップルは最大130億ユーロ(約1.7兆円)を支払うという。EUの欧州委員会は、アイルランド政府がアップルに提供している法人税の優遇措置が違法であるとして、2016年から追徴課税を求めており、それがようやく動き出した形になる。

 アップルが利用していたのは「ダブルアイリッシュ」と呼ばれる節税法で、法人税率が安いアイルランドに2つの法人を設立することからこう呼ばれている。詳細は省略するが、2つのアイルランド法人の間に、オランダに設立した法人を挟んで利益を回すことによって、アメリカで納税するよりも大幅に節税できるのだ(このことから「ダブルアイリッシュダッチサンドウィッチ」とも呼ばれる)。

 グーグルなどもこの節税スキームを利用しており、実効税率は数%ほどで済んでいると報じられている。

 アップルへの追徴課税は動き出したものの、これで問題が解決したわけではない。そもそも巨大IT企業への課税は、現状の仕組みでは難しい面がある。国際的な課税のルールでは、支店や工場などの恒久的な施設がなければ課税しないことになっているからだ。EUの域内でどんなにサービスを利用しても、支店や工場などを持たない米国の巨大IT企業には課税できない。

 そこで欧州委員会が3月に提案したのは、消費地の売上高に対して3%の課税を行う方法。支店や工場などの拠点がなくてもサービスが利用された国でネット広告やデータ販売などの売上高に対して課税するものだ。

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