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高齢の親に「遺言書」「財産目録」を正しく作ってもらう手順

後々もめないために親子全員で家族会議を(イラスト:河南好美)

後々もめないために親子全員で家族会議を(イラスト:河南好美)

 親の死後、円滑に相続手続きを進めるには、「遺言書」を作ってもらっておくことが重要だ。遺言が残されていないと、親が亡くなった後に法定相続人全員が署名捺印した遺産分割協議書を作らなくてはならず、意見がまとまらないと長期間にわたる“争族”になってしまう。そうならないために、親子全員で家族会議を開き、遺産分割の内訳をあらかじめ決め、それを親が遺言書に書き残しておくのである。

 家族会議では、まず親の財産を把握したい。

「預貯金や株・債券、金融商品、生命保険などを親から聞き取り、財産目録を作成していく。ここで見落としがあると、親の死後に二度手間になってしまいます」(相続コーディネーターの曽根恵子氏)

 漏れてしまいがちなのが、クレジットの借り入れや個人間での借金だ。

「親としては借金を言い出しにくいので、子供から『知人の親が借金を隠していて大変だった。お父さんは大丈夫?』と、それとなく話題にして反応を窺うことが大切です」(同前)

 目録には、預貯金なら口座のある支店名、口座番号、残高、有価証券なら銘柄ごとの株数、不動産なら地番、生命保険なら受取人など、財産の種類ごとに細かな内容まで記載する。借金がある場合は、借入額と毎月の返済額を整理しておく。

 親の財産を把握した上で、遺産分割の話し合いに移る。「墓や仏壇の管理をどうするか」など話しやすいテーマで親の緊張を解き、徐々に本題に入るとスムーズだ。結論が出たところで、遺言書を作成する。

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