投資

世界最大ヘッジファンド総帥 中国株への見方を全面的に変更

中国発の株暴落が世界の市場を揺るがせているが、その事態を世界の投資家はどう見ているのか。外国人投資家の動向について詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表取締役の宮島秀直氏が解説する。

 * * *
年内の外国人投資家の動向を見る上で、ポイントとなりそうなものを2点挙げておこう。
 
まずは中国株に対するスタンス。7月下旬、外国人投資家の中国株への見方を大きく変えるニュースが流れた。運用資産が約20兆円という、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツの総帥であるレイ・ダリオが、中国株への見方を全面的に変更したのだ。

彼は、これまで中国を有望市場と語っていたが、自社の顧客に対して、「直近の中国株式市場の暴落は、中国には投資するべき安全な場所など存在しないことを示した」とするレポートを送付。各国財政・金融当局も熟読するこのレポートが、ウォールストリートジャーナルに一部引用された結果、中国株の下落に拍車をかけたことで、内容をトーンダウンしたコメントを発表し直した、という出来事があった。この一連の出来事が、外国人投資家に大きな影響を与えたことは疑いようがないだろう。

もうひとつは、米国の機関投資家が予想する日銀の追加緩和の時期だ。米大手年金運用会社ノーザントラストが行なった調査によると、一向に上がらない物価などを理由として、日銀が2016年4月までに追加緩和(量的金融緩和第3弾)に踏み切る予想すると機関投資家は、全体のほぼ半数に上っている。国内よりも海外の方が、追加緩和の可能性を高く見ているという結果が出ている。

しかも、注目すべき点は、30%の機関投資家は2015年10月中に実施されると予想。具体的に、「7-9月の経済データが揃い、自民党総裁選も終了した10月30日」と考える向きもあったという。もし、10月中に追加緩和が行われなかった場合は、外国人投資家から失望売りが出かねない状況となっている。

追加緩和を前提とした為替相場は、一時的に130円にタッチするものの、大統領選を控えた米政府からの牽制もあって、125円前後で安定するという見方が大勢を占めている。

※マネーポスト2015年秋号

マネーポスト 2015年秋号 2015年 10/1 号 [雑誌]: 週刊ポスト 増刊

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。