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メディアドゥホールディングス:16期連続増収見込む電子書籍の取次最大手

メディアドゥホールディングス(3678):市場平均予想(単位:百万円)

メディアドゥホールディングス(3678):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 メディアドゥホールディングス(3678)は、国内トップ、世界第2位の電子書籍取次事業者です。同社は「ひとつでも多くのコンテンツをひとりでも多くの人へ」を事業理念に、電子書籍や音楽・映像などデジタルコンテンツの取次事業(卸事業)を展開しています。

 電子書籍取次業では、出版社から電子化したマンガなどのコンテンツを仕入れ、「LINEマンガ」「Amazon」「Kindle」「楽天マンガ」などの電子書店へ卸しています。出版社との交渉や支払い代行といった従来の書籍取次業務だけではなく、販売管理や決済システムの提供、また様々なプラットフォームに合わせた配信を行うのが特徴です。システムの提供やデータ管理・収益など煩雑で専門性の高い業務が必要となることから、電子書籍取次業者の必要性は高いと思います。

 同社の主要な販売先は、LINEマンガ(総販売実績の20.9%)、Amazon(同12.8%)、TSUTAYAや凸版印刷を株主とするBookLive(同11.5%)の3社(2020年2月期実績)。また主な仕入れ先出版社は、同社の3大大株主である講談社、小学館、集英社の3社で同社の仕入総額の4-5割を占めているようです。さらにこのほか、ユーザー利用率上位20の電子書店、電子書籍を提供する出版社の99%以上と取引があるとのこと。

 2020年2月末においては、2000社以上の出版社、150店を超える電子書店と取引しており、200万点を超えるコンテンツが稼働しています。この結果、同社の電子書籍の国内流通総額(直接取引を含む)における取次シェアは、国内最大の34%となっています(取次経由だけでは、なんと80%の圧倒的シェア)。

注目ポイント

 電子出版市場は、拡大の一途を辿っており、2018年度においては前年比22.1%成長となる3122億円になると推計されています。また2023年度には2018年度の約1.5倍となる4610億円になるなど今後も成長が続く見通しです。(出典:「電子書籍ビジネス調査報告書2019」インプレス総合研究所)

 この電子出版市場の成長の牽引役はマンガで、流通額の6割を占めているとのことです。ところが、小説など「文字もの」のデジタル化は遅れており5%に過ぎません。米国や中国においては文字ものでも3-4割のシェアがあり、それを考えると潜在市場は大きいです。また電子書籍は誰もが利用しているわけではなく「電子書籍を一度も利用したことはない」人は全体の55%(MMD研究所)にも上り、利用率の拡大による成長余地が残されています。

 同社はこうした市場成長を追い風に15期連続増収を達成。2023年には同社の取次額は今の1.5倍となる1650億円になる見込みとされています。同社は電子書店大手のLINEマンガ等との独占契約や大手出版社が大株主であり大口取引先としており、市場成長の恩恵を受けやすいと思います。

【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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