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不動産“名義変更しないまま放置”でトラブル多数 今後は処罰の対象にも

名義変更されないまま放置された不動産は全国に多数あるという(写真:イメージマート)

名義変更されないまま放置された不動産は全国に多数あるという(写真:イメージマート)

 相続・贈与を巡る様々な制度変更が続いているが、どんどん変わるルールを理解しないと、思わぬペナルティが待ち受ける。そこ難しいのが「不動産の名義変更」だ。トラブルとなった具体例を紹介しよう。

 祖父の代からの戸建てに住むAさん。建て替えを検討したところ、名義が50年以上前に亡くなった祖父のままだと判明──司法書士法人リーガルサービス代表・野谷邦宏氏のもとに相談があったケースだ。野谷氏が言う。

「祖父の死亡時に子たちのなかで自宅の所有者名義を変更する『相続登記』をしようと言い出す人がおらず、そのまま孫の世代になったようです」

 遡って相続登記する場合、現状の登記名義人(祖父)の戸籍を調査し、「相続権がある者全員」を明らかにする必要がある。

「相談者から委託を受けて調査したところ、相続権がある人は約20人。北海道から九州まで全国に分散していた。全員で遺産分割協議を行ない、Aさん名義に登記を変更することの同意を得なくてはなりませんでした」(野谷氏)

 約20人に協力を求める手紙を送り、同意しない相手と話し合いを重ねた。

「1年以上経ってようやく協力してもらえることになった。その後、遺産分割協議書に全員の署名捺印をもらい、法務局に相続登記を申請し、Aさん名義に登記を変更することができた」(野谷氏)

 同様に名義変更されないまま放置された不動産は全国に多数あるとされる。問題は今後、それが処罰の対象になることだ。

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