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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】清水建設:足元受注環境良好で更なる採算性向上へ期待

*14:45JST 清水建設:足元受注環境良好で更なる採算性向上へ期待
【会社概要】清水建設<1803>は、1804年創業の日本を代表する総合建設会社である。いわゆるスーパーゼネコンの一角を占め、社是「論語と算盤」のもと、経営理念「真摯な姿勢と絶えざる革新志向により社会の期待を超える価値を創造し持続可能な未来づくりに貢献する」を掲げている。近年、サステナビリティ経営が広く注目される中、同社は創業以来200年以上にわたってその理念を一貫して体現してきた存在である。

【2025年3月期決算概要】2025年3月期の連結業績は、売上高は1兆9,443億円(前期比3.0%減)と減少した一方、利益面では、国内建築工事の工事採算の改善を主因として、営業利益は710億円(前期は246億円の損失)、経常利益は716億円(前期は198億円の損失)と大幅に改善した。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却に伴う特別利益の計上もあり、660億円(前期比3.85倍)となった。事業別では、建設事業の売上高は1兆6,960億円(前期比3.3%減)であったが、工事採算の改善により売上利益は1,578億円(前期比4.43倍)となった。また、開発事業等は売上高2,483億円(前期比1.6%減)、売上利益375億円(前期比30.2%減)となった。自己資本比率は34.1%と引き続き健全な水準である。

【2026年3月期業績予想】2026年3月期の連結業績予想として、売上高1兆9,100億円(前期比1.8%減)、営業利益780億円(同9.8%増)、経常利益730億円(同1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益750億円(同13.6%増)を見込んでいる。同社によると足元の受注環境は良好であり、採算の確保だけでなく、適正工期やサプライチェーンを含めた消化体制の確保なども考慮したうえで、慎重に受注判断を行っている。こうしたことから、売上は微減を見込むものの利益面では増益が期待される。また、2025年5月に連結子会社である日本道路の完全子会社化を目的とした株式公開買付けを発表。中長期的な視点に立って成長戦略を共有することで、事業面でのシナジーが期待される。

【成長戦略】同社は、2024年度から2026年度までの3年間を対象とした中期経営計画を策定しており、次のような重点施策に取り組んでいる。
まず、経営基盤の強化である。経営の中核である「人財と組織力」の成長を加速させるため、シミズ版ジョブ型人事制度やタレントマネジメントシステムの構築を進めている。また、働きがいのある職場づくりや現場環境の整備を通じ、多様な人財が活躍できる体制を構築している。さらに、マーケティング、技術開発・知的財産、デジタル、グローバル化、サプライチェーン、グループ経営の6つの機能の連携を強化し、サステナビリティ経営の進化を図っている。
こうした経営基盤の強化に依拠しつつ、事業戦略とグローバル展開の着実な実行、資本政策と成長投資の積極的な推進を図る構えである。
資本政策と株主還元では、資本コストや株価を意識した経営を実現するため、政策保有株式の縮減や自己株式の取得などの資本政策を推進している。また、連結配当性向40%を目安とし、株主への還元を強化している。
こうした取り組みにより、中期経営計画最終年度(2027年3月期)には連結売上高1兆8,900億円、営業利益1,000億円、経常利益950億円、当期純利益700億円を目標としており、また、非財務KPIとして従業員エンゲージメントスコア4.0以上、女性管理職比率6%以上などを目標とするなど、サステナビリティ経営を推進している。
なお、同社によると、現在は過年度に受注した低採算工事の影響で完成工事利益率が押し下げられているが、その影響は徐々に減少し、足元の受注時採算は良好であることから、次期中計が始まる2027年度以降には更なる利益率の向上が期待できるとのことである。同社の今後の展開に注目したい。

<HM>

fisco

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