*11:06JST 中部鋼鈑 Research Memo(6):2025年3月期は減収減益も、エンジニアリング事業等が伸長(2)
■中部鋼鈑<5461>の業績動向
3. 財務状況
(1) 財政状態
2025年3月期末の資産合計は前期末比8,983百万円減の84,565百万円となった。流動資産は現金及び預金が3,925百万円、有価証券が5,492百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が14,121百万円、仕掛品が5,147百万円減少したことにより同14,712百万円減の46,579百万円となった。固定資産は有形固定資産が3,152百万円、投資有価証券が2,696百万円それぞれ増加したことにより同5,729百万円増の37,985百万円となった。
負債合計は支払手形及び買掛金が4,419百万円、未払法人税等が1,869百万円減少したことにより同7,510百万円減の8,543百万円となった。純資産では、自己株式の消却に伴って資本剰余金の変動が発生したほか、主に配当金の支払に伴い利益剰余金が1,274百万円減少したこと等の要因で同1,472百万円減の76,022百万円となった。この結果、自己資本比率は89.0%と前期比6.9ポイント上昇した。
(2) キャッシュ・フローの状況
2025年3月期末の現金及び現金同等物は21,439百万円となり、前期末比9,422百万円増加した。営業活動によるキャッシュ・フローは21,525百万円の収入(前期は3,872百万円の収入)となった。主な要因は仕入債務の減少4,418百万円、法人税等の支払2,953百万円などの支出があった一方、税金等調整前当期純利益2,436百万円、減価償却費の計上2,044百万円、売上債権の減少16,769百万円、棚卸資産の減少7,946百万円などの収入があったことによる。投資活動によるキャッシュ・フローは9,091百万円の支出(前期は285百万円の収入)となった。主な要因は、定期預金の払戻11,000百万円、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還10,326百万円等の収入があったものの、有価証券の取得10,999百万円、定期預金の預入8,000百万円、有形固定資産の取得6,121百万円、投資有価証券の取得5,209百万円等の支出があったことによる。財務活動によるキャッシュ・フローは3,011百万円の支出(前期は4,548百万円の支出)となった。主な要因は配当金の支払2,997百万円である。2025年3月期は事故に伴う一時的な操業停止もあって債権債務や棚卸資産の残高が縮小した結果、営業活動によるキャッシュ・フローの金額が増加した。また引き続き潤沢な資金を有価証券投資等に充て、効率よく運用している状況である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>