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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】日本電技 Research Memo(2):空調設備を自動制御する「計装エンジニアリング」企業

*13:02JST 日本電技 Research Memo(2):空調設備を自動制御する「計装エンジニアリング」企業
■会社概要

1. 会社概要
日本電技<1723>は、オフィスビルをはじめホテルや病院、工場など大型の非居住用建築物の空調設備を自動制御する空調計装の分野、及び工場の生産ラインや搬送ラインを自動化する産業システムの分野を領域に事業を展開している。主力の空調計装関連事業は、自動制御機器大手であるアズビルの最大手特約店として、また業界の草分け的な存在として、豊富な実績とノウハウを有する。加えて、同社を含むアズビルグループが大半を握る空調計装市場で、唯一設計から施工、メンテナンスまでを手掛けるエンジニアリング企業として強みを発揮している。こうした「計装エンジニアリング」の技術は、高品質な空間の創出や生産効率の向上に寄与するだけでなく、ビルや工場から排出されるCO2を削減できるため、脱炭素などサステナブルな社会の実現にも貢献している。また、成長が期待される産業システム関連事業では、空調計装やエンジニアリングのノウハウ、子会社ジュピターアドバンスシステムズ(株)の生産管理システムなどをベースに、生産ラインの最適化・省人化によって工場のスマート化を支援するなど付加価値の高い事業を行っている。

アズビルと協働し、空調計装業界をリード

2. 沿革
山武計器(株)(現 アズビル)が、1952年に米国有数の制御機器メーカーであるハネウェルと資本提携契約を締結、国内で空調制御機器の輸入販売を開始した。しかし、計装機器を据え付ける計装工事会社が世の中にほとんどなかったことから、島田七良氏ほか当時の創業メンバーは空調計装事業の発展を確信して同社を設立、「エレクトリック技術で日本一を目指す」という志を込めて日本電技と名付けた。こうして同社は、1959年に空調自動制御の設計から施工、調整、保守までを一貫して行う、日本初の空調計装専業企業としてスタートを切った。現在、アズビルと協働して空調計装業界をリードするとともに、空調計装で培ったエンジニアリング能力を、工場や生産ラインの自動化・省力化を進める産業システムの分野に展開、業容を拡大している。

他にない「計装エンジニアリング」という強み

3. 計装エンジニアリング
「計装」とは、ビルや工場において空調や生産ラインなど各種の設備・機械装置を、計測・監視・制御の手法によって自動でコントロールする技術で、快適化・効率化・省力化・省エネ化の実現を目的としている。例えば、ビルの空調計装であれば、「最少のエネルギーで快適な環境を実現する」技術と位置付けられ、温度・湿度・気圧などを計測してその情報を監視し、一定の環境を維持するために機器を制御しながらビル全体の空調をコントロールすることで、快適性や省エネ化を実現している。計装技術は近年、省エネ化に必須の技術として注目され、最新のIoT・AI技術を用いた計測・監視システムが開発されたり、「地域冷暖房」のコア技術として利用されたりするなど進化を続けている。一方「エンジニアリング」とは、部分最適に陥りがちな設備・機械装置を、ユーザーにとって全体最適化する技術を指す。

同社のようにこうした「計装」と「エンジニアリング」の機能を併せ持つ企業は少なく、「計装エンジニアリング」という技術自体が他にない同社の強みとなっている。さらに、「計装エンジニアリング」をコアに、長い歴史によって培われた技術力、その結果としての既設市場での優位性、あらゆる分野に対応できる応用力といったさらなる強みにつながっている。こうした強みを背景に、常に高度化するアズビルの新製品を容易に使いこなし、年々複雑化・大型化する物件の空調をコントロールする対応力は、取扱販売店の中でも抜きん出ていると言われている。また、同社が産業システムの分野へ持ち込んだ「計装エンジニアリング」という技術と、生産設備機器や生産ライン全体を自動化・省力化したスマート工場は相性が良く、同社にとって新たな成長領域となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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