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投資

49歳でFIREした元証券アナリストが元手300万円を7000万円へと増やすまで リーマン・ショックの直撃を避けられた幸運とそこで得た学び

株式投資は「大負けしないこと」が大事

株式投資は「大負けしないこと」が大事

 投資の上級者たちは、どのように資産を増やしてきたのだろうか──。株式投資初心者に向けて『2倍株・3倍株がぽこぽこ生まれる のんびり日本株投資』を上梓したさかえだいくこさんが投資を始めたのは30年以上前、大学生の頃だった。最初はMMF(マネー・マーケット・ファンド:格付けの高い短期金融資産を投資対象とする投資信託の一種)を買っていたが、利回りが落ちてきた時期だったことと、システムエンジニア(SE)として証券会社のシステム構築に携わった経験から株式投資に興味を持ったことから、1998年頃を境に資産の一部を株式投資に切り換えたという。

 原資は300万円ほどで、ゆっくりとだが順調に資産は膨らんだ。大学卒業後、就職しSEとして15年勤めた後、証券アナリストへ転身。会社の規定で株式投資が禁止されていたに制約があったので、保有する株式をすべて売り払うことになったが、このことが運命の分かれ道になったという。

「大負けしないことが大事」

「株を売り払った後、2008年のリーマン・ショックが起こりました。会社の規定を守るために保有株式をすべて売り、預金で保有したので幸いにもほぼ無傷でやり過ごせたわけですが、『大負けしないことが大事』であることをこの時に学びました。とはいえ株価が大幅に下落して“バーゲンセール状態”だったのに会社の規定で自由に買えなかったのですから、『こんなに安いのに買えない!』と悔しい思いもしました(笑)」(以下、「」内コメントはさかえださん)

 大底の買い場は逃したものの、リーマン・ショックによる大損害を回避できた代償でもあった。そして、証券アナリストとして7年半仕事をした後、地方公務員に転職したところで株式投資を再開。のんびり投資のスタイルで資産を増やし、49歳のときに6000万円を超え、FIRE(=経済的自立と早期リタイア)を達成した。

「50歳を前に、私個人の資産が6000万円ほどになりました。ずっと正規社員として働いてきて、年金もそれなりにもらえるはずなので、それにプラスして『これだけお金があれば、余裕をもった暮らしができるだろう』と思い、仕事を辞めました。当初は『もう一生働かない』と思っていたのですが、お世話になった方からのお誘いで、週4日で働くことになり、その仕事がきっかけで、今は東北地方のある大学でキャリア教育をはじめとした常勤講師としてフルタイムで働いています」

 現在は7000万円まで資産が増えているというさかえださん。大きなリターンを追わない代わりに、大きなリスクも取らない“のんびり投資”がモットーで、「少し時間はかかりますが、十分な資産形成が可能です」と説く。関連記事『【FIRE達成の元証券アナリストが厳選した4銘柄】長く持ち続けられる銘柄を選ぶポイントとNGな考え方を解説 新興国需要、生成AI需要、親子上場解消に着目』で、最新の注目銘柄とのんびり投資で「してはならないこと」を解説している。

【プロフィール】
さかえだいくこ/大学常勤講師。日本FP協会認定CFP。日本証券アナリスト協会認定証券アナリスト。21歳で証券会社に口座を開設して以来、証券アナリストだった時代を除いて投資を続け、投資家歴は30年超。システムエンジニア15年、証券アナリスト7年半、地方公務員5年半を経験し、49歳でFIREを達成。しかし、50歳目前で、某企業の研究員として週休3日の会社員に復帰。その後、北東北の大学で非常勤講師としてキャリア教育にも従事し、53歳で常勤講師となる。

取材・文/清水典之

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