利上げをめぐる動きに注目だという(日銀・植田和男総裁、時事通信フォト)
日米の関税交渉合意を受けて日経平均4万円台に回復。株式投資に追い風が吹いてきたように見えるが、経験豊富な“億り人”はこの局面をどう見るか。資産8億円超で、高配当株投資の達人として知られる元消防士のかんちさんに話を聞いた。
49歳の時に株式投資で資産2億円を築いたことで早期退職したかんちさんは、投資歴40年以上。保有銘柄は600超という超分散投資のスタイルで知られる。ポートフォリオ(資産割合)は「高配当株5:優待株3:成長株2」の構成だという。年約2400万円の配当金収入があることに加え、優待株でも金額換算で年約120万円分の優待品を手にしている。
そのかんちさんに話を聞くと、「私は“逆張り”なので今のような高いところでは買うべきではないと思ってます。今は買った銘柄を、眺めている段階でしょう」と語った。つまり、むしろ株価が次に下がったタイミングを狙うという考えだ。
「私も相場の予測はある程度は考えますが、結局、未来なんてわからない。ですから運用するにあたっては、“上がったらこう動こう”“暴落したらこう買おう”とあらかじめ決めておく。実際に起きたら、決めた通りに売買するだけ。
そのうえで、あえて今年後半の相場の動きを予想するなら、業種間にばらつきが出る展開でしょう。相場全体としては横ばいないし下落を予想します。上に行く場合は企業の業績が欠かせませんし、衆参が少数与党になり、野党の言うことをある程度聞いて歳出が増えること見込まれます。歳出増大に伴う赤字国債の増額で長期金利が上昇すれば、株価にとってはマイナスです」(以下、「」内コメントはかんちさん)