わかりやすい“株価の底”はない
そうした話を踏まえれば年内に「次の買い時」が来る可能性もありそうだが、注目しておくべきセクターについてはこう話す。
「日銀は金利正常化に向けた旗を降ろしていません。関税問題が落ち着いてインフレが継続すれば、日銀は利上げに動くでしょう。ですので、金利上昇の恩恵が受けられる業界は注目しています。具体的には銀行、保険関連銘柄でしょうね。日米の相互関税が15%で完全決着するなら、自動車や自動車部品も良いと思います」
長期保有のスタイルで億超えの資産を築いたかんちさん。「長期保有が前提なら、できるだけ安い株価で買うことに集中するのが重要」と強調する。
「その考えに基づけば、今はまだ高い。せめて日経平均が4万円を割ったり、3万8000円台になった時に買ったほうがいいと考えます。わかりやすい“底”というのはないので、自分の買いたい株が2割下げた時など、あらかじめ買いのタイミングを決めて動くといいです。狙いを定めた銘柄のなかから、条件を満たした順番に買っていけばいいでしょう」
今のうちから注目銘柄をチェックしておくことが重要となるわけだ。では、かんちさんは具体的にどのような銘柄に注目しているのか。関連記事『《資産8億円超のかんちさん厳選した4銘柄》注目は金利上昇の恩恵大きい金融関連の高配当株! 他が増配しない時も配当をどんどん増やした「信頼のおける地銀株」も』で詳しく解説していく。
【プロフィール】
かんち/1961年、三重県生まれ。元消防士。専業投資家。現在の資産は8億円超で、年間配当金は2000万円超に達する。投資初心者でもわかりやすく、判断基準が明確で再現性の高い投資手法は、個人投資家の間で定評がある。著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株投資入門』(ダイヤモンド社刊)がベストセラーとなった。