収益基盤のしっかりしているセメントメーカーに注目(安徽コンチセメント。Getty Images)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。関連記事《深刻なデフレに見舞われる中国経済の打開策 超大型水力発電プロジェクト、供給側に働きかける“反内巻”政策が材料視され業績不振銘柄も物色対象に》を踏まえて、“反内巻”政策の恩恵を受けて投資妙味の高まるセクター・銘柄について解説する。
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個人投資家にとって、中長期で高い成長の続くと予想されるいわゆる成長株に投資することが投資の王道だと思われるかもしれないが、こうした銘柄に関する機関投資家の情報収集力、企業分析力は極めて高く、個人がこれを超えるのは難しい。結局、機関投資家がカバーしていないような中小型株の中から選ぶことが多くなるのだろうが、そうなると企業の成長を見通す高い分析力が必要となる。
一方、業績が悪く、機関投資家の注目度の低い銘柄を選んで投資する方法もある。業績が大きく改善するタイミングで株式を買い入れるような投資方法だ。テクニカルに注目するのであれば、株価が下落し、歴史的に低位水準にある銘柄を狙うリターン・リバーサルといった方法がある。また、ファンダメンタルズに注目するのであれば、黒字転換見通し企業を探して投資するような方法もある。テクニカルの知識が必要であったり、あるいは黒字になる理由を見つけ出す必要があったりするが、業績が悪いだけに機関投資家が投資しにくいといった個人投資家にとっては都合の良い面がある。