大きな時価総額の株式を保有する「女性大富豪」たち(写真は野村絢氏/Getty Images)
他の先進諸国に比べて男女格差が大きいと指摘されてきた日本企業において女性役員の比率が徐々に高まってきている。『取締役会のジェンダーバランス調査(2024年度版)』(日本総合研究所)によると、東証プライム上場各社の女性役員比率は前年比2.8ポイント増の16.4%だった。
女性起業家の台頭や企業の役員登用が進み、高額な役員報酬を受け取ったり、大きな時価総額の株式を保有したりする「女性大富豪」も増えてきた。経済ジャーナリストの福田俊之氏が指摘する。
「資産の規模を知るには、保有する株数に株価をかけて時価総額を算定する方法があります。女性は『創業者一族』が目立ちますが、近年は若い起業家も増えました」
本誌『週刊ポスト』は企業価値検索サービス「Ullet(ユーレット)」協力のもと、有価証券報告書の記載などをもとに、保有株の時価総額が100億円以上の女性を調べた。
1位は半導体企業・レーザーテックの保有株時価総額が約1240億円の前田せつ子氏。同社株を上場当時から長年所有するが、兜町では謎の女性株長者として知られ、「創業家の内山家の親族とみられる」(経済部記者)とされてきた(同社は取材に親族かどうか「回答できない」とした)。
次のページ:“華麗なる一族”の一員