株式投資から1年ほど距離を置いた理由とは(写真:イメージマート)
日経平均株価は今年4月の3万円割れ寸前からわずか半年で5万円前後まで上昇。そうした“上げ潮相場”で資産を増やした人も少なくないだろう。まして数多の難局相場を乗り越えてきた“億り人”はさらに資産を築いているに違いない。
だが、日経平均株価5万円前後の史上最高値圏にある相場に沸き立つ今だからこそ、胸に刻んでおきたい話もある。実際の億り人の言葉から学べることは何か。
1銘柄で約5000万円儲けるも…
株式投資で資産10億円超を築いた億り人・株億太郎さんは、かつて株式投資で大儲けした直後に「株式投資を1年ほどやめた」ことがあったと振り返る。
「もう20年ほど前の話です。山一電機(東証プライム・6941)という半導体部品を手がける会社の株で大儲けしたことがありました。たしか株価160円ほどで買って500円くらいまで上がって、15万株とか大量に買っていたから初めて1銘柄で5000万円くらい儲かったんです。
もうそれは有頂天になって、当時付き合いのあった証券会社の支店長の前とかでも得意げになっていた気がします。その頃は交差点ですれ違うサラリーマンなどを見て、ふと思ったりもしたんです。『彼らは一所懸命働いても年収は500万円ぐらいか。私の今回の稼ぎの10分の1か……』などと、完全に図に乗っていました」
狙っていた銘柄が会心の大当たりをして5000万円を手にすれば、無理もない話かもしれない。しかし、株億さんの場合、さらにそこからこんな思いが瞬時に溢れてきた。
【プロフィール】
株億太郎(かぶおく・たろう)/資産10億円超の個人投資家。株投資歴30年以上。東証上場の割安銘柄を中心に圏外の無名銘柄をマイニング。投資先の会社まで出向いたり、IRに電話もするアクティブ投資家。配当重視、現物主義で利益積み上げ。資産評価50億円を目標にしている。
Xアカウント:@KabuokuTaro
取材・文/入江一
