株億太郎さんは日経平均株価7万円の可能性を指摘する(写真:イメージマート)
米国とイスラエルのイラン攻撃による地政学リスクの高まりで先行き不透明な相場展開となっているなか、「日経平均株価6万円時代が到来し、夏前には7万円の可能性もある」と予測するのが、株式投資で資産10億円超を築いた兼業投資家・株億太郎さんだ。当面の相場について、株億さんは次のような見通しを示す。
「私は年初に『日経平均は年央に6万円』と見込んでいましたが、ここにきて上方修正が必要ではないかと考えています。高市カラーを前面に押し出した自民党の圧勝で、保守的な基盤が固まったことで、むしろ台湾有事は遠のき、日本にとってはまず身近な地政学リスクは小さくなったのではないかと見ています。
そうした背景に加え、『責任ある積極財政』を掲げ、防衛費を増強して輸出を拡大するといった高市政権の政策は国民受けしやすく、ここ最近の値幅の大きさも併せて考えると、日経平均は夏前にも7万円の可能性もあると見ています」(以下「」内コメントは株億さん)
だからといって、株高基調を手放しで喜べるわけではない、と付け加える。
1ドル=200円まで円安が進む可能性も想定
「米国とイスラエルによるイラン攻撃もあって先行きは不透明な状況で、国内にも消費税減税による財政悪化の懸念材料があります。日本の債務は財務省の発表だけで1300兆円規模、地方債や隠れ債務を含めれば1600兆円を超えるのではないでしょうか。さらに日銀の利上げによって金利が1%上昇すれば16兆円の増加。消費税の減税分の手当てもつかないなか、乗り切れるのか。財政悪化懸念がさらに高まれば日本売りとなって、1ドル=180円を超えて200円まで円安が進む可能性もゼロではありません」
続けて、株億さんは金融株急落の危機の可能性も指摘する。
「国債が売られて金利が急騰した場合、金融機関の保有する大量の国債に含み損が出て、場合によっては地銀などが追い込まれる。メガバンクも安心できないような状況となれば、利上げ期待で上げてきた金融株に急落の危機も生じかねません」
一方で、「円安メリット」が業績の後押しになる銘柄もあるという。
「短期目線で見た場合、円安メリットが膨らむ輸出関連の自動車、機械、電機などは大幅な株価上昇の可能性が出てきて、日経平均株価にも大きなプラスとなるでしょう。また、金利が大きく動きかねない局面では返済負担が膨らむ懸念が少ないことから、借金が少なく自己資本比率が高い、つまりは財務体質の良い企業が注目されてくると見ています」
もっとも、「円安メリット」の恩恵を受ける輸出関連はすでに高値圏にある銘柄も少なくない。
「やはり株式投資は『安く買って高く売る』のが基本ですから、ただでさえ株価の高い値嵩株は避けた方がいい。そこで注目したいのが、2025年に新高値をつけて、信用の買い残が膨らんでいるような銘柄です。基本的に信用取引で買った投資家は半年後までには反対売買で売らないといけない。信用の買い残高が膨らんでいるということは、裏返せばそれだけ将来の売り圧力がたまっているわけです。そこで信用買い残の多い銘柄が売られて安くなったところを狙う手法も考えられます」
では、日経平均株価が6万円を超えて7万円を目指すような高値圏でも狙い目となる銘柄は何か。関連記事『《資産10億円超の株億太郎さんが厳選!》高値圏相場でも割安感のある注目3銘柄 業績絶好調なのに株価低迷の世界的メーカーほか、「信用買い残に注目して安値で仕込むチャンスを狙う」』では、株億さんが選り抜いた有望銘柄を紹介している。
【プロフィール】
株億太郎(かぶおく・たろう)/資産10億円超の個人投資家。株投資歴30年以上。東証上場の割安銘柄を中心に圏外の無名銘柄をマイニング。投資先の会社まで出向いたり、IRに電話もしたりするアクティブ投資家。配当重視、現物主義で利益積み上げ。資産評価50億円を目標にしている。
Xアカウント:@KabuokuTaro
取材・文/入江一
