*11:05JST ミラティブ Research Memo(5):2025年12月期は増収増益。創業後初の通期黒字化を実現
■ミラティブ<472A>の業績動向
1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の業績は、売上高で前期比17.9%増の7,188百万円、営業利益で349百万円(前期は245百万円の損失)、経常利益で287百万円(同257百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で739百万円(同259百万円の損失)と、売上高の拡大に加え各段階利益において黒字化を達成した。売上面では、ロイヤルユーザー数の増加及びARPLUの上昇が課金売上の拡大に寄与し、「Mirrativ」課金収入を中心に成長が継続した。また、サービス内コミュニティの活性化に伴う課金機会の増加が売上成長の主因となった。利益面では、決済手数料率の低下を中心とした構造的なコスト改善が進展したことに加え、高い限界利益率を有する事業特性により売上成長が利益に反映された。さらに、繰延税金資産の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅に増加した。この結果、創業後初の通期黒字化を達成した。
ロイヤルユーザー数、ARPPU・ARPLUともに上昇
2. KPIの状況
同社の主要KPIである2025年12月期通期平均のロイヤルユーザー数は前期比8.7%増の8,915人、ARPLUは同8.5%増の58,716円、ARPPUは同29.5%増の18,247円となり、いずれも上昇した。第4四半期平均ではロイヤルユーザー数は9,573人、ARPLUは60,887円まで拡大しており、足元でも増加基調が継続している。課金ユーザーの量と質の双方の改善が売上拡大に寄与した。
ロイヤルユーザーは一度定着すると離脱しにくいストック型の特性を持ち、コミュニティの活性化やライブゲームへの参加促進がその拡大を後押ししている。また、ギフト消費やイベント参加の拡大によりARPPU・ARPLUが上昇しており、ユーザー数の増加と単価向上が同時に進行することで、売上成長の継続性が高い構造となっている。
新株発行と利益計上により現金及び預金は増加。自己資本比率は67.7%に改善
3. 財務状況と経営指標
2025年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,703百万円増加の5,240百万円となった。主な増減要因は、現金及び預金が640百万円、売掛金が241百万円、投資有価証券が225百万円、繰延税金資産が569百万円増加したことによるものである。投資有価証券の増加はキャスコードの持分法適用関連会社化に伴うものであり、繰延税金資産の増加は黒字化に伴う計上によるものである。
負債合計は前期末比34百万円増加の1,694百万円となった。有利子負債が260百万円減少した一方、買掛金及び契約負債の増加を中心に流動負債が294百万円増加したことによるものである。
純資産は前期末比1,669百万円増加の3,545百万円となった。当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことが主因である。
収益性・安全性指標では、自己資本比率は67.7%と前期末比14.7ポイント上昇し、流動比率は329.6%と同7.5ポイント減少した。これにより財務の安全性は総じて改善している。
4. キャッシュ・フローの状況
2025年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは、288百万円の収入となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益287百万円の計上によるものである。一方、主な支出は、売掛金が241百万円増加したことによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、317百万円の支出となった。主な支出は、投資有価証券の取得による支出275百万円である。
財務活動によるキャッシュ・フローは、669百万円の収入となった。主な増減要因は、長短借入金が260百万円減少した一方、新規上場に伴う株式発行による収入が930百万円となったことによるものである。
この結果、2025年12月期末の現金及び現金同等物は前期末比640百万円増加し、3,392百万円となった。
■今後の見通し
2026年12月期も増収増益を予想。営業利益率は8.3ポイント上昇を見込む
● 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期通期の連結業績は、売上高で前期比16.8%増の8,398百万円、営業利益で同217.6%増の1,109百万円、経常利益で同261.0%増の1,036百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同30.2%増の962百万円と、増収増益を予想している。売上高については、ロイヤルユーザー数の継続的な積み上がりとARPLUの上昇が課金収入の拡大をけん引する見込みである。加えて、イベントなどのコミュニティ活性化施策やライブゲーミングの展開により課金機会の増加を見込んでいる。利益面では、Web決済導入による決済手数料率の低下を背景としたコスト改善が継続する見通しである。また、デジタルコンテンツ開発及び新規事業への投資については、絶対額に加えて売上高比率も考慮しながら規律を維持して継続する。この結果、営業利益率は前期比8.3ポイント上昇し、13.2%となる見込みである。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の繰延税金資産計上の影響がはく落するものの、増益を確保する見通しである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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