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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】クロスプラス:専門店立て直しと機能性・EC拡大が次の成長局面へ

*15:17JST クロスプラス:専門店立て直しと機能性・EC拡大が次の成長局面へ
クロスプラス<3320>は、婦人・子供向け衣料を中心に、アパレル卸売、小売、EC、ライフスタイル商材を展開するアパレル企業だ。売上の約8割をBtoB(企業向け卸売)が占め、自社企画商品を量販店や専門店へ供給する低粗利・高回転型のビジネスモデルを採用している。近年はECや機能性ファッション、ライフスタイル領域を強化し、収益構造の転換を進めている。

2026年1月期の連結業績は、売上高598.5億円(前期比3.5%減)、営業利益13.9億円(同35.5%増)となった。売上面では、郊外型専門店向け販売の苦戦が継続したことが響いた。大手ロードサイド専門店では顧客年齢層の上昇に加え、猛暑や暖冬の影響で秋冬商品の動きが鈍く、販売数量が伸び悩んだ。一方、量販店向けや無店舗向けは底堅く推移し、ECも成長を維持した。

利益面では、採算改善が大きく進展した。アパレル卸売で原価低減が進んだことに加え、EC売上拡大による利益率改善、販促費や広告費のコントロールが奏功した。人件費や物流費は増加したものの、販管費全体を抑制できたことで、減収下でも大幅増益を実現した。採算性重視の取引方針へシフトしたことも収益改善に寄与している。

今後の焦点は、専門店チャネル立て直しの方向性だ。2027年1月期は、主力ブランドの再強化に加え、ルームウェア、キャラクター商品、通勤需要向けアウターなど商品カテゴリーを拡充する。従来の婦人衣料中心から、家中需要や実用性需要への対応を広げることで、売上回復を目指す方針だ。専門店売上は中期経営計画達成の重要な前提条件であり、既存販路の回復に注目したい。

一方で、成長ドライバーとして存在感を高めているのが、機能性ブランド「CROSS FUNCTION」だ。猛暑期間の長期化を背景に、UV対策などの気温変化に対応した商品提案が好調だった。従来の「春夏・秋冬」といったシーズン単位ではなく、月次ベースで商品投入を細かく調整する手法へ転換したことが奏功している。デザイン変更だけでなく素材切り替えで対応するため、他ブランドへの横展開もしやすい構造となっている。

ECも引き続き成長している。2026年1月期のEC売上高は32.4億円(前年同期比16.1%増)となった。既存ブランドが110~120%ペースで伸びていることに加え、大きいサイズ、子供服など新カテゴリー投入が寄与している。今後はリカバリーウェアやスクールウェアも投入予定であり、SNSや動画を活用した販売強化を進める。利益率は卸売より高い水準ではないものの、在庫回転やブランド認知向上への寄与は大きい。

ライフスタイル卸売では、ネイル分野で韓国ブランドの総代理店となり、生活雑貨専門店やドラッグストア向け展開を進めている。また、UVケアや温活関連など雑貨領域も強化している。現状では収益規模はまだ小さいものの、アパレル以外の収益源として育成を進める方針だ。

2027年1月期会社計画は、売上高630.0億円(前期比5.3%増)、営業利益14.0億円(同0.3%増)としている。専門店チャネル回復やライフスタイル拡大を織り込んだ増収計画である一方、原材料高や円安、生産コスト増加を背景に、利益率は慎重に見ている。特にイラン情勢などを背景とした原油高リスクもあり、会社側は保守的な前提を置いている。ただし、機能性ファッションやECが計画以上に伸びれば、利益上振れ余地もあるとみられる。

また、物流効率化への投資も進めている。2026年2月よりロボットソーター設備を導入し、今期から本格稼働する。生産性が約5%向上し、BtoC物流拡大への対応力向上にもつながるとみられる。従来はBtoB中心だった物流センターを、EC拡大に合わせて刷新していく段階に入っている。

中期経営計画では、2028年1月期に売上高680億円、営業利益20億円を目標に掲げている。重点領域は、専門店チャネル立て直し、CROSS FUNCTION拡大、メンズ事業育成、EC成長、ライフスタイル分野拡大である。メンズ事業は2026年1月期に12億円と計画未達だったが、レディース素材を活用した商品やニットが好調で、新販路開拓も進んでいる。

株主還元にも積極姿勢を示している。2026年1月期配当は50円、2027年1月期は60円を予定しており、配当利回りは4%台前半水準だ。2028年1月期までにDOE2.5%達成を目指しており、有価証券売却など資本構成見直しも含め、還元強化を進める考えだ。

総じて同社は、専門店苦戦という課題を抱えながらも、機能性ファッション、EC、ライフスタイル領域を軸に収益構造の転換を進めている段階だ。足元では採算改善が先行しているが、今後は専門店回復と成長領域拡大が重なれば、中期的な利益成長余地は大きいと考えられる。

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