閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
FiscoNews

【注目トピックス 日本株】トレンダーズ Research Memo(4):2026年3月期は増収減益。マーケティング事業が伸び悩む(1)

*14:04JST トレンダーズ Research Memo(4):2026年3月期は増収減益。マーケティング事業が伸び悩む(1)
■トレンダーズ<6069>の業績動向

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高8,278百万円(前期比33.7%増)、営業利益727百万円(同26.5%減)、経常利益724百万円(同26.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益216百万円(同63.9%減)と増収減益となった。主要サービスの業積不振のほか、2025年12月のしるしの子会社化や採用強化などの成長投資による販管費増から、2026年2月に業績予想を下方修正した。修正予想(売上高8,300百万円、営業利益800百万円、経常利益800百万円、親会社に帰属する当期純利益390百万円)に対する達成率は、売上高で99.7%、営業利益で90.9%、経常利益で90.6%、親会社に帰属する当期純利益で55.6%と、いずれも未達であった。

売上面は、主力のマーケティング事業では、インフルエンサーマーケティングやMimi Beauty分野での競合激化に伴う減収や、イベント関連の需要減などの要因から期初予想を下方修正し、zenplusの連結効果もあり、おおむね予想を達成し前期比28.3%増で着地した。ECコンサルティング事業は、しるしのグループイン後4ヶ月で456百万円を確保した。インベストメント事業は2025年3月期にあった複数の営業投資有価証券売却益の反動で減収となった。

利益面では、期初予想を下方修正したものの、一部案件での実施時期の変更や、「X」での一時的な広告配信停止を要因に、各段階利益は予想未達となった。特に親会社株主に帰属する当期純利益については、メディカルマーケティング領域における約120百万円の減損損失もあって期初予想を下方修正したが、zenplus運営店舗閉鎖に係る損失43百万円等がさらに重なり、修正予想を大幅に下回った。

2. 事業別業績
(1) マーケティング事業
売上高は7,690百万円(前期比28.3%増)、売上総利益は3,605百万円(同15.2%増)、セグメント利益は559百万円(同41.9%減)となった。日本の総広告費においてインターネット広告費が50.2%を占める※ようになり、インターネット広告市場においては既存の大手広告代理店やネット広告代理店に加え、IT企業やコンサルティング企業が参入するなど、競争が激化している。同社が主力とするSNS領域も同様で、マーケティング事業のインフルエンサーマーケティングでは美容カテゴリの取引ブランド数の減少や1ブランド当たり受注額が減少した。またMimi Beautyでは、「X」における広告運用額がプラットフォーム要因(プロモーション広告における「ハッシュタグ付き投稿」の当面配信停止など)で減少したことで、売上高・売上総利益は前期比で微減となった。一方でイベント領域はzenplusの連結効果で売上高が大きく伸び、事業の増収をけん引した。メディカル領域は一部部門の閉鎖や再生医療領域の立ち上がりの遅れにより売上高・売上総利益とも減少した。利益面では、減収要因に加え、zenplusの子会社化に伴うのれん償却(63百万円)やzenplus単体での費用増が重なったことで前期比減益となった。

※ 出典:(株)電通「2025年 日本の広告費。

同社は、美容マーケティング領域において、消費者の購買行動に与える影響度の高い、SNSプラットフォームを活用し、インフルエンサーによるマーケティング支援を強みとして成長してきた。しかし現在、他社の新規参入が進み、価格やクオリティでの競争が激化している。またプラットフォームについても、同社が得意とする「X」だけでなく、「TikTok」やECサイトなど、幅は広がっているほか、AIを活用した高度なサービスを提供する競合企業も現れている。同社は、媒体の広がりや技術での出遅れ感が2026年3月期減収減益の要因の1つと分析しており、2027年3月期に入り競合に対抗する施策を実施し、業績の挽回を目指す。

メディカルマーケティング領域は毛髪再生と医療アートメイクに特化する方針の下、2026年3月期の収益化を目指していたが、2025年10月に医療アートメイクのクリニックを閉院した。要因は競争激化とマネジメントの課題である。前者については、市場参入が相次ぎ価格競争が激化し、顧客単価が低下したほか、広告単価上昇から顧客獲得単価の上昇を招き、採算性が低下した。後者については、クリニック運営オペレーションで課題が発生し、運営が困難となった点だ。閉院に伴い減損損失が発生したが、適切な撤退判断だろう。なお、毛髪再生クリニックは運営を継続しており、コストを抑えつつ収益力を向上させる施策を展開している。

(2) ECコンサルティング事業
しるしが担い手となるECコンサルティング事業は、売上高456百万円、売上総利益331百万円、セグメント利益142百万円となった。同事業は2025年12月から連結対象となり、2026年2月に修正した業績予想を達成した。ECモールに特化した戦略コンサルティングや運用代行サービスを提供しており、特にAmazonにおける高い専門性とコンサルティング実績を有する。同社とは既に協業して美容領域に特化したECモール運営支援を進めており、今後はさらなる拡大の見込まれるECモールで美容以外のカテゴリにも進出する構想だ。

(3) インベストメント事業
売上高は131百万円(前期比33.3%減)、売上総利益は130百万円(同5.6%減)、セグメント利益は128百万円(同5.6%減)となった。2026年3月期は、2025年3月期にあった営業投資有価証券の売却はなく、主に営業投資有価証券として保有する社債の利息収益が主体となった。

3. トピックス
(1) ECモールの集客支援サービスの提供を開始
2026年2月、SNSを活用することでAmazonをはじめとしたECモールの集客、及び顧客の売上最大化を支援するサービスを提供開始した。同社は、AmazonをはじめとしたECモールに特化した戦略コンサルティング・運用代行サービスを手掛ける、しるしの子会社化以降、SNSとECモールを連携させた新しいマーケティングソリューションの開発に取り組んでいる。同社の有するSNSマーケティングのノウハウとデータベースを活用し、データ分析により集客に最適なインフルエンサーをキャスティングし、インフルエンサーとともにECモールに集客するためのキャンペーン設計やクリエイティブ制作を行う。また購買に直結するUGC(一般ユーザーが作成したコンテンツ)をECモールの商品ページに活用し、コンバージョン率(Webサイトなどにアクセスした人のうち最終成果に至った割合)を向上させる。

(2) LiBとの資本業務提携
2026年2月、BPO事業を手掛けるLiBとの資本業務提携を発表した。LiBは逆求人型転職エージェント「LIBZ」に加え、業務設計・人材アサイン・運用を一括で担うアウトソーシング支援サービス「LIBZ BPO」を展開する。同社は、LiBの有する人材調達力・業務設計力・DX推進ノウハウをECコンサルティング事業における提供ソリューションの拡充や顧客層の拡大に向けて活用する方針で、しるしを含む3社が協業し、ECコンサルティング事業の収益基盤を強化する。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)

<HN>

fisco

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。