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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】タイミー Research Memo(4):集客力と営業コンサルティングが強み。稼働率は87%を実現

*11:04JST タイミー Research Memo(4):集客力と営業コンサルティングが強み。稼働率は87%を実現
■事業概要

5. 強み
タイミー<215A>の競合優位性は、「人が集まる」「ワーカーの働きぶりが良い」「営業による手厚いサポート」の3点に集約される。

(1) 「人が集まる」
豊富な求人掲載数がワーカーに対する誘引力となり、蓄積されたワーカー数がクライアントの採用成功率を高めるという、プラットフォーム特有の正の循環が形成されている。積極的な広告宣伝投資により獲得した膨大な登録ワーカー数並びに募集求人数が相互に作用し、2026年4月期は87.0%(第2四半期単独)という高い稼働率を実現している。

(2) 「ワーカーの働きぶりが良い」
リピートワーカー率65%(2026年4月末時点)並びに無断欠勤率約0.2%(2026年2月~4月)という実績は、ワーカーの就業品質に対するクライアントからの高い評価を裏付けている。履歴書や面接を不要としながらも、マッチングシステム並びにネットワーク規模が機能することで、精度の高い就業機会を提供している。

(3) 「営業による手厚いサポート」:AI活用で小規模クライアント対応が進化
同社は791名(単体、2026年4月時点)の営業体制を構築しており、クライアント企業に対して業務プロセス再設計(BPR:Business Process Re-engineering)を含めた踏み込んだ支援を実施している。営業人員は規模別(主に大規模、中規模が対象)及び業界別(物流、小売、飲食、介護福祉など)に特化して専門性を高めている。このような大規模な人的資源への投資や人材育成に要する時間は、一定の事業規模を有する同社独自の強固な優位性である。これは他社の追随を困難にする参入障壁として機能しており、単なるマッチングプラットフォームにとどまらない付加価値をクライアントに提供している。また、組織的ボトルネックの解消とスケーラブルな体制への移行に向けて、小規模クライアント向け営業組織を新たに立ち上げた。AI架電などのAI活用による効率的なフォロー体制を確立したことで、生産性は前年同期比で約2倍に向上した(2026年4月時点)。今後は、ポテンシャルの大きな小規模企業の市場においても、さらなる開拓が進むものと期待される。

6. 経営資源
同社の持続的な成長を支える経営資源の強みは、「優秀な人材の経営人材への登用」と「積極的な資金調達と先行投資」が挙げられる。

(1) 「優秀な人材の経営人材への登用」
経営陣には代表取締役の小川氏を筆頭に、大手人材会社、メガバンク・証券会社、IT系(GAFA、通信キャリア)など多角的な背景を持つ専門人材が結集している。異業種での知見を有する高度な人材の登用は、同社の革新的なビジネスモデルの具現化、並びに市場環境の変化に即応する機動的な経営体制を支える成長の源泉となっている。2025年11月に新たに8名の執行役員が就任し、2026年5月にはさらに3名(うち上級執行役員1名)が就任し、経営執行体制は一段と厚みを増した。注力領域である介護福祉事業では、同社で事業戦略本部長や市場開発本部長を歴任した山岡和人(やまおかかずひと)氏が執行役員に就任した。重点領域へのリソース配分を意識した人事と言える。

(2) 「積極的な資金調達と先行投資」
創業から上場までのフェーズでは、成長性を重視した資金調達並びに積極的な先行投資を行った。具体的には、2019年10月期第4四半期に20億円の資金調達を実施し、早期にテレビ広告などの大規模なプロモーションを開始した。2021年10月期まで損失を計上する過程においても、市場の将来性を的確に捉えた投資姿勢を維持したことが、現在の市場シェア獲得の要因となっている。また、調達資金をプロダクトの利便性向上に向けた開発へ継続的に投入し、ユーザー体験の改善を積み重ねたことが、プラットフォームの急成長を支える基盤となった。なお、現時点では事業から創出するキャッシュと借入で再投資が可能なビジネスモデルに移行している。

7. KPI
同社はスポットワーク事業(タイミー事業)において、以下の4つの重要業績管理指標(KPI)を継続的にモニタリングしている。各指標はこれまで堅調に推移しており、プラットフォームとしての改善サイクルが有効に機能していることを示している。

(1) 流通総額
クライアントからワーカーに支払われる報酬と交通費の総計である。同事業の売上高は、この流通総額にテイクレート(次項)を乗じた額となるため、同数値の伸長は企業成長に直結する。2026年4月期は69,475百万円となった。同第2四半期単独では33,303百万円となり、2025年10月期第2四半期単独の26,666百万円より24.9%増と、持続的な成長を維持している。

(2) テイクレート
クライアントに対するシステム利用料(手数料)の比率である。基本料率は業界並びに企業規模を問わず30%に設定されており、競合環境の状況により低下するケースもある。過去には、参入企業の増加に伴い競争環境が激化する局面も見られたが、現在は沈静化しており、2026年4月期は通期で28.8%、第2四半期単独の平均で28.8%と安定した水準で推移している。

(3) アクティブアカウント数(AA数)
月間に1件以上の求人を掲載したクライアント事業所数である。通期の数値は各月の月間アクティブアカウント数の累計で算出される。2026年4月期は476千拠点となり、第2四半期単独では前年同期比17.6%増の235千拠点と伸長しており、同社の営業推進力並びに市場開拓力を示す重要な指標となっている。

(4) 稼働率
募集人数に対する実稼働人数の割合を示すマッチング率である。2026年4月期は通期平均で86.0%、第2四半期単独で87.0%と高水準を維持している。膨大な登録ワーカー数、多岐にわたる募集求人数、精緻なマッチングの仕組みが必要なため、同社の総合力を示す指標と言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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