*11:44JST イード Research Memo(4):2027年6月期の業績見通しは未定、子会社売却で得た資金で自己株式取得も検討
■イード<6038>の業績動向
3. 2027年6月期の業績見通し
2027年6月期の連結業績予想については未定としている。2026年9月1日付で連結子会社のエンファクトリーの保有株式すべてをパソナグループ<2168>に譲渡したことで、同子会社が連結対象から外れること、また株式売却益を特別利益として計上する見込みとなり、これらの影響額を精査しているためで、合理的な算定が可能となった時点で公表する予定だ。
今回譲渡を決定した背景として、同社が「AIメディアカンパニー」の実現に向け、中長期的な企業価値向上を目的とした事業ポートフォリオの見直しと資源配分の最適化を進めるなかで、相手先から株式譲受の申込みがあり、人材ビジネスを総合的に展開するパソナグループの傘下で事業を展開していくことが、エンファクトリーのさらなる成長を実現していくうえでも最適と判断したためだ。
エンファクトリーの2026年6月期業績は売上高で1,110百万円、営業利益で114百万円、経常利益で115百万円、当期純利益で73百万円と連結業績に占める比率も比較的大きく、今回の株式譲渡で売上高・営業利益・経常利益については一時的にマイナスの影響が出る見通しだ(2027年6月期は2ヶ月分のみ連結業績に組み込まれる)。株式譲渡価額は709百万円、譲渡株式の同社単体決算における帳簿残高が69百万円となっているため、640百万円の売却益が発生する見込みだが、その他費用等の発生も想定されるため最終的な特別利益は確定していない。なお、同株式譲渡により創出される資金については、M&Aを含む成長投資と株主還元のバランスを勘案し、最適な資本配分を行う方針で、自己株式取得も有力な選択肢として検討している。
エンファクトリーを除いたCP事業については、ネット広告収入が回復基調にあるほか、サブスクリプションサービスなどネット広告以外のビジネスの育成を着実に進める方針だ。また、低迷が続いているCS事業もリサーチソリューションで受注回復の兆しが見え始めており、増収及び営業黒字化を目指す。
AIメディアカンパニーとして2030年6月期に売上高100億円を目指す
4. 中期業績目標
中期業績目標として2030年6月期に連結売上高100億円、調整後連結EBITDA12億円を目指す方針に変わりはない。成長戦略としてM&A戦略を継続しつつ、AIメディアカンパニーとしてビジネスモデルを従来のネット広告中心のモデルから、AIでパーソナライズされた会員基盤「iid Smart id」をベースに、有料会員サービスやマーケティング支援サービスなど様々なサービスを展開し、収益ポートフォリオを拡充することで高成長を目指す。AIを活用することで生産性の向上だけでなく、会員基盤の拡張やマネタイズ化が今まで以上に効率的に進むことが見込まれる。業界としては自動車のほかに教育、金融、IT、エンターテインメント、ロボット分野を重点分野として注力していく。
■株主還元策
配当金はDOE2.5%を目安に実施、株主優待を合わせた利回りは5%超の水準に
同社は2026年6月期より株主還元の拡充を図っている。配当方針としては、DOEの目安を従来の2.0%から2.5%に引き上げ、1株当たり配当金は前期から1.0円増配し23.0円(DOE2.5%)とした(前期は記念配当6.0円含む)。2027年6月期も同1.0円増配の24.0円と4期連続の増配を予定している。DOEを目安としているため、今後も安定した配当が期待される。また、株主優待制度も導入しており、毎年6月末時点で500株以上保有する株主に対して、保有1年未満の場合は1万円分、1年以上継続保有の場合は1.5万円分のQUOカードを贈呈する。そのほか、自己株式取得も適宜検討する方針だ。なお、2026年9月2日時点の株価(833円)で株主優待を含めた投資利回りを試算(500株保有の場合)すると、保有期間1年未満の場合で5.3%、継続保有期間1年以上で6.5%となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>