閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
FiscoNews

【注目トピックス 日本株】クオルテック Research Memo(7):パワー半導体の信頼性評価の需要増大が見込まれ、事業環境は良好(1)

*12:07JST クオルテック Research Memo(7):パワー半導体の信頼性評価の需要増大が見込まれ、事業環境は良好(1)
■クオルテック<9165>の今後の見通し

3. 事業環境
(1) 自動車業界の動向
大手自動車メーカー各社は電動化に向けた対応を加速させている。トヨタ自動車<7203>は、2030年にEV(電気自動車)販売台数350万台、本田技研工業<7267>は同年にEV販売台数200万台、日産自動車<7201>は2026年に電動車販売比率を44%以上とするなど、その動きは活発化している。2025年3月に経済産業省が公表した各社のEV関連投資額は、トヨタ自動車が2030年までに5兆円、本田技研工業が2030年度までに約10兆円(ソフトウェア含む)、日産自動車が2026年度までに2兆円となっており、EV開発・生産への積極姿勢がうかがえる。さらに日本政府は他国と比較して遅れているEV化比率を押し上げるため、2025年末に「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の上限を130万円に引き上げ、電動化目標の堅持を明らかにしている。

一方で世界的なEV販売の競争激化や米国でのEVに対する補助金撤廃といった要因が生じて以降は、各自動車メーカーはこれらのEV戦略の一部見直しを行っている。トヨタ自動車は、EVへの集中投資を継続しつつもこうした海外事情を踏まえて「マルチパスウェイ戦略」(EVに限らずハイブリッド車や燃料電池車等、地域のエネルギー事情やインフラに合わせて多様な選択肢からCO2削減を目指す脱炭素戦略)をさらに深化させている。具体的には次世代EVへのハイパフォーマンスな角形電池の採用や、HV(ハイブリッド自動車)やPHV(プラグイン・ハイブリッド自動車)への柔軟なリソース配分の調整、次世代に向けた全固体電池開発や車載OSへの積極投資等の施策である。本田技研工業は2026年から新開発のEV専用プラットフォームを採用した次世代EVである「ホンダ・ゼロシリーズ」を北米市場起点に本格投入するが、それとともに足元の需要の高いハイブリッド車にも開発・生産リソースを再配分する方針を示している。2027年からはハイブリッドシステムとプラットフォームを刷新した次世代ハイブリッドモデルを投入する計画で、北米を中心に2029年度までにグローバルで15モデルを投入するとしている。次世代ハイブリッドシステムは従来モデルに対して30%以上のコスト削減を目指すとともに、次世代プラットフォームと新開発の電動AWDユニットの組み合わせにより10%以上の燃費向上を目指す。日産自動車は2023年に発表した長期ビジョンである「Nissan Ambition 2030」を推進しており、その戦略の中核として全固体電池車の2028年頃の実用化を目指している。販売戦略としては現行の「e-POWER」搭載モデルをEVへの橋渡しとして位置付けるとともに、収益性を重視し、軽EVの拡充や次世代EVの投入を推進する。

上記のとおり自動車メーカー各社で戦略は若干異なるが、EV、HV、PHV、FCV(燃料電池自動車)など電動化の方向性に変更はなく、電動車におけるパワー半導体や二次電池はキーデバイスとなる。特にパワー半導体は、PCU(パワーコントロールユニット)という、モーター制御や電力の変換・管理を制御する装置に使用されるため、電動車の性能向上にとって最も重要なデバイスとなる。このことから、どの電動車の実績が伸びても、パワー半導体に関する信頼性評価の需要は増大する。同社にとって事業環境は良好と言えよう。

一方、二次電池はその性能が電動車の走行可能距離を左右する重要なデバイスとなる。現在は二次電池としてリチウムイオン電池が主流だが、軽量化や小型化、安全性の向上といった克服すべき課題が多く、解決に向け、自動車メーカーや電池メーカーは全固体電池の実用化を目指し研究開発を進めている。近い将来リチウム電池のみならず全固体電池に係る信頼性評価へのニーズも予想されるため、同社は全固体電池に関する信頼性評価を実施するための研究開発を進めている。

自動車の概念を変える技術革新「CASE」では、Connected通信、Autonomous自動化、Smart / Shared & Servicesシェアリング、Electric電動化の4領域で技術革新が進行中である。Connectedでは事故の自動通報や渋滞情報の共有の実用化が進んでおり、例えばトヨタ自動車の「通れた道マップ」が災害発生時に道路の封鎖やう回路の情報を提供して実用化されている。Autonomousはレーザ光を使ったセンサー「LiDAR」を活用し、自動運転レベル0-5のうち現在は、運転の主体がシステムとなるレベル3まで実用化されている。Smart / Shared & Servicesのカーシェアリングでは、車載システムからの情報をもとに車両状態や課金の管理・制御を行っており、公共交通機関の充実と駐車場など保有コストの高さからクルマ離れの進む日本社会に浸透してきている。Electricについては、気候変動への対応から脱炭素社会実現に向け喫緊の課題として国家レベルで推進されている。同社は現在同領域で、ユーザーの安全を第一に安定したモビリティ技術を担保するため、試験・評価から解析までを一連して提供している。「CASE」での中心技術はソフトウェアとなるものの、それを駆動するために必須の半導体やハードは関連して性能が求められ、革新に伴い、同社評価事業へのニーズが高まることが予想される。部品単体からシステムを含む完成品まで総合的にカバーした試験に対応するTQSを提供するほか、これまでの実績では顧客の先行開発から量産開発、実用化まで受注するケースが多い。主要顧客の研究開発に伴走して試験・評価、故障解析の一連のサイクルを繰り返すことで、顧客のテクノロジー進展と相乗して同社の提供品質が向上し、成長につながると弊社では見ている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)

<HN>

fisco

注目TOPIC

よく一緒に読まれています

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。