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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】網屋 Research Memo(7):経常利益ベースで53.3%の進捗。通期業績達成の蓋然性は高い

*12:07JST 網屋 Research Memo(7):経常利益ベースで53.3%の進捗。通期業績達成の蓋然性は高い
■今後の見通し

1. 2026年12月期業績見通し
網屋<4258>は2026年12月期の通期連結業績予想について、売上高7,002百万円(前期比18.0%増)、営業利益1,200百万円(同14.1%増)、経常利益1,188百万円(同13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益850百万円(同13.3%増)を見込んでいる。第2四半期累計期間の実績は、売上高3,397百万円(前年同期比23.7%増)、営業利益638百万円(同31.3%増)、経常利益633百万円(同32.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益435百万円(同33.8%増)となり、通期計画に対する進捗率は売上高48.5%、営業利益53.2%、経常利益53.3%、親会社株主に帰属する当期純利益51.2%に達した。例年、同社は下期偏重の収益構造を有していることから、上期終了時点として順調な進捗であると評価できる。一方で、第2四半期決算において通期業績予想は据え置かれている。

市場環境については、サイバー攻撃の高度化に加え、経済産業省が推進するSCS評価制度(サプライチェーンセキュリティ評価制度)をはじめとする政策的な後押しが継続している。従来の大手製造業やIT企業に加え、エネルギー関連企業や防衛関連企業など重要インフラ分野からの引き合いも増加しており、顧客基盤の拡大が進んでいる。また、規程・ガイドライン策定、脆弱性診断、インシデントレスポンスなどのセキュリティ包括サービスも順調に拡大しており、単一製品依存から脱却した収益構造の多様化も進展している。

販売面では、NTTドコモビジネスおよびキヤノンマーケティングジャパンとの協業が今後の成長ドライバーとして期待される。特にNTTドコモビジネスとの資本業務提携については、セキュリティ統合型ネットワークサービスへのALog採用をはじめ、具体的な成果創出のフェーズに入りつつある。今後は生成AIを活用した自動検知・自動対処機能の共同開発なども視野に入れており、販路拡大と製品競争力向上の双方に寄与する可能性が高い。また、菱友システムズとの資本業務提携や新規代理店の開拓も進んでおり、従来とは異なる顧客層への浸透も期待される。

投資面では、同社は2026年12月期を「投資の年」と位置付けている。広告宣伝や販売促進活動を積極化しており、大型展示会への出展や自社イベント開催などを通じて「Verona」を中心としたSASE関連サービスの認知拡大を進めている。研究開発投資も継続しており、2026年7月にはAI機能を強化した「ALog V2」をリリースしたほか、「Verona」についても2026年12月に機能強化版の提供を予定している。こうした投資により短期的な利益成長は抑制されるものの、中長期的な競争優位性の構築を優先する経営姿勢は明確である。

組織面では、新卒採用は計画通り進捗しており、採用した人材を2~3年かけて育成し戦力化していく方針である。一方で、中途採用市場におけるセキュリティ人材やネットワークエンジニアの獲得競争は激しく、特に30代前半から半ばの即戦力人材の確保は課題となっている。このため同社は、人材確保と組織力強化を目的としたM&Aを引き続き積極的に推進する方針である。具体的には、SESやエンジニア派遣企業の買収を通じた内製化の推進に加え、自社が保有していないサイバーセキュリティ技術やサービスを有する企業との提携・買収も視野に入れている。足元では外部エンジニアへ委託する比率が高く、M&Aによるプロパー人材比率の向上は収益性改善と事業拡大の両面で重要なテーマとなっている。

オールサブスクリプション化による安定した収益基盤、極めて低い解約率に支えられた高い顧客定着率、さらに国策を背景とした旺盛なセキュリティ需要という成長ドライバーは引き続き健在である。上期の業績進捗は計画を上回るペースで推移しており、将来成長に向けた投資を継続しながらも高い収益性を維持している点は評価できる。NTTドコモビジネスやキヤノンマーケティングジャパンとの協業拡大、SASE市場の成長取り込み、人材確保を目的としたM&A戦略などを踏まえると、同社の中長期的な成長余地は大きく、2026年12月期の通期業績予想達成の蓋然性は高いと弊社では考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

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