*12:01JST NNANOホールディングス Research Memo(1):日本の優れた技術とグローバル資本をつなぐ投資事業を本格始動
■要約
NANOホールディングス(旧 NANO MRNA)<4571>は、2025年12月11日付で「NANOホールディングス(株)」へ商号を変更した。その後、2026年4月1日付で創薬事業を会社分割により新設子会社NANO MRNA(株)へ承継し、ホールディングス体制へ移行した。現在はヘルスケア領域を中心とした投資事業を主たる事業とし、創薬事業を担うNANO MRNA等を傘下に置くグループ経営を推進している。
日本には世界で競争力を持ち得る技術や創薬シーズ等が数多く存在する一方、国内の資本市場や事業開発環境だけでは、その潜在的な価値が十分に発揮されないケースもある。また、政府による創薬力強化や海外資本の呼び込みが進み、海外投資家の日本企業への関心も高まっている。同社は、こうした環境変化を大きな事業機会と捉えている。
同社の投資事業は、優れたヘルスケア技術や事業資産を発掘し、国内外の資金、科学・投資・経営の専門人材及び事業開発ネットワークを組み合わせて成長を支援するモデルである。同社は、日本の技術とグローバル資本をつなぐ「Gateway」として、資金供給にとどまらず、投資後の開発戦略、事業提携、経営体制及びガバナンスの強化まで一体的に支援し、海外での研究開発、ライセンスアウト、M&A等を通じて、企業価値の向上と多様なEXIT機会の創出を目指す。
1. Public Strategic Investment Company(上場戦略投資会社)として新体制を始動
同社は、ヘルスケア分野を中心とする投資事業へ本格参入した。ファンドの組成・運営及び投資実行を担う子会社Nano Bridge Investment(株)(以下、NBI)を通じて、日本の優れた技術・事業資産に資金を供給する。さらに、NANOホールディングス及び米国子会社Nano Holdings USが有する米国の事業会社・投資家とのネットワークや事業開発機能を活用し、投資先のグローバル展開と企業価値向上を支援する。
2. 投資事業の中期目標
同社は、NBIとSBI新生グロースキャピタル(株)が共同で運営する1号ファンド「NANO Bridge I」の規模拡大を進めるとともに、将来的には2号、3号ファンドを継続的に組成し、運用資産を積み上げていく方針である。また、NANOホールディングス自身も同ファンドにLP(有限責任組合員)として出資しているため、投資先の売却等によって生じた利益は、出資持分に応じた投資リターンとして同社にも還元される。投資先の売却によるキャピタルゲインに加え、ファンドの管理報酬及び成功報酬を収益化することで、継続的な収益基盤の構築を目指す。
3. 株主還元の最大化を追求
投資事業は、投資実行やEXITの時期・規模によって業績が変動する特性を持つ。このため同社は、個別案件の進捗、ファンド規模、投資先の事業成長及びグローバル展開を継続的に示し、中長期的な企業価値向上を通じて株主価値の最大化を目指す方針である。また、投資先の売却等によって大きな収益を実現した場合には、業績及び財務状況を踏まえ、特別配当の実施も検討する考えである。
■Key Points
・戦略的投資会社へ移行し、日本の優れた技術・事業資産とグローバル資本をつなぐ「Gateway」モデルを本格始動
・「NANO Bridge I」ファンドの規模拡大と後続ファンドの継続的な組成を通じ、運用資産と収益基盤の拡大を目指す
・投資先の開発・事業提携・経営体制を一体的に支援し、グローバルな企業価値向上と多様なEXITの実現を通じて株主価値の最大化を追求する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水 啓司)
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