これ以降、資金流出が加速した。外貨準備高の推移をみると、2015年7月末は3兆6513億ドルであった。それが、2016年12月末には3兆105億ドルまで減少している。ちなみに直近では6か月連続の減少である。
“規模が小さく、規制の少ないオフショア市場ならば、人民元売りを仕掛けることができる。日中取引であれば、本土市場にもその影響は及ぶはずだ。本土の資金流出は深刻で、しかも当局は為替取引システムを変動相場制に近づけている。本土市場を大きく元安に持ち込むことができるかもしれない……”。これが欧米系ヘッジファンドの思惑であろう。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサル ティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。