財布を上手く使いこなすことで、家計のコストカットが実行できる──。ファイナンシャルプランナーで家計再生コンサルタントの横山光昭さんが提案するのは、生活に必要なものを買う「家計財布」と息抜きに使う「浪費財布」の2つを使い分ける方法だ。そのポイントについて聞いた。
「『家計財布』には週1回、生活費として一定のお金を入れ、そこから食費や日用品に使うお金を出し入れしてやりくりします。このとき旦那さんのお昼代や子供の習い事の費用など、個人にひもづいた出費は別にして、家族みんなで使うお金を管理してください。
私の家庭では家計財布をリビングの棚の上に置き、毎週月曜日に1万5000円を入れています。そのまま財布を持って買い物に行くこともあるし、家族がそれぞれのお金で立て替えたときは家計財布から精算します」(横山さん・以下同)
もう1つの「浪費財布」は、生活を豊かにするための財源として使うべし。
「節約ばかりだと疲れてしまうから、息抜きも必要です。収入の5%までなら浪費の財布に入れてかまいません。たとえば月の収入が30万円なら、月に1万5000円、週に3000円程度までなら使ってOK。たまに高級なチョコレートを買うなどあえて無駄遣いをすることで、生活が潤います。ただし、そうした生活必需品以外の支出は必ず『浪費財布』から出すようにしてください」
家族全員が節約を意識できる
1週間ごとに財布に現金を入れることで、無駄遣いの防止にもつながる。
「財布を使う際、絶対に中身を見ることになるため、『いつもなら金曜日の時点で8000円くらい残っているのに、今週は3000円しかない』など無意識の使いすぎにも気がつくことができる。毎週決まった予算内でやりくりすることで、家計簿がつけられなくても家計を把握しやすいのもポイントです」
財布を家族で共有することで、家族全員が節約を意識できるというメリットもある。
「ある5人家族では月の食費が15万円もかかっていました。しかし、2つのお財布で管理することによって家族のコスト意識が高まり、食費を月半分に抑えて年間84万円も貯金に回すことができたのです」
財布はブランドものである必要はないが、あまりにも安すぎて思い入れがないとお金が貯まりにくい。
「気に入った財布を用意した方が、長続きさせることができます。サイズはなるべく小さめで機能的なものを。お金やレシートで財布がパンパンに膨らまないよう、必要最低限なものだけを入れるようにすると、お金を管理しやすくなります」
※女性セブン2023年4月27日号