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「えいや」「よしなに」…令和の時代に「おっさんビジネス用語」が再評価 あいまいな表現で、不快にさせないのが特徴

「おっさんビジネス用語」が今の時代に注目されているのはなぜ?(イメージ)

「おっさんビジネス用語」が今の時代に注目されているのはなぜ?(イメージ)

「えいや」「よしなに」など、中高年世代には懐かしく、若い世代には新鮮さがウケて、SNS上でトレンド入りするなど話題になっているのが、「おっさんビジネス用語」だ。緊張した場面を一瞬にして和やかにするこの言葉たちは、熟年夫婦の会話などにも使えそう。令和のいま、もう一度、見直してみてはどうだろうか。

「おっさんビジネス用語」はそもそも、いつどこで生まれたものなのか? コラムニストの石原壮一郎さん(60才)は、次のように説明する。

「高度経済成長期の頃から、金融、マスコミ、商社など各業界で使われてきた用語が、いつしかそう呼ばれるようになりました。

 政治家がよく使う『一丁目一番地』や、金融業界の『鉛筆なめなめ』など、おじさん世代の私でもあまり使わない言葉がいくつかありますが、これは自分がいた業界以外で生まれ、使われてきたからでしょう。業界ごとに違いはありますが、いずれもストレートに何か言うより、やわらかく感じるものばかり。それは、あいまいに表現しながらも、相手を不快にさせず仕事や商談を進めていくという、日本人特有の性質によるものだと思います。それが令和のいま、再び注目されている要因ではないでしょうか」

 コロナ禍を経て、再び人と人が顔を合わせるようになったいま、久しぶりのコミュニケーション時に役立ちそうだ。

「一丁目一番地」「鉛筆なめなめ」「全員野球」の使用例

 以下に代表的な「おっさんビジネス用語」をいくつか紹介しよう。意外と使える場面は少なくないかも?

一丁目一番地
【意味】物事の中で最も重要な課題のこと。主に政治家が重要な政策を訴える国会答弁で使う言葉。1980年代から新聞記事で見られるようになった。
【例】姑の誕生日をイタリアンにするか寿司にするかがわが家の「一丁目一番地」です。

えいや
【意味】気合を表す言葉。難題や大変なことも、気合を入れて頑張ればなんとかなるというときに使う。
【例】うちの実家、物が多いんだけど「えいや」で片づけを乗りきるわ。

鉛筆なめなめ
【意味】じっくり物事を考えるという意味もあるが、数字の帳尻を合わせるために使うことが多い。鉛筆をなめると、書きやすくなることから生まれた言葉といわれている。
【例】ゴールデンウイークの旅行代の精算は、なんとか「鉛筆なめなめ」でやっといて。

全員野球
【意味】レギュラー、補欠を含め全選手が一致団結して試合に臨む野球用語から、ビジネスではチーム全員で力を合わせて、取り組むことを表す。
【例】今度の大掃除は「全員野球」でピカピカにしよう!

よしなに
【意味】「いい具合になるよう、よろしく」の意。「そっちでうまいことやっておいてね」と丸投げするときに使われることが多い。こちらも時代劇でよく聞く言葉で、古くから使われており、江戸時代の文献にも見られる。
【例】この案件、あとはキミの方で「よしなに」やっておいてね。

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