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家計

「車検に落ちるかも」と不安を煽ってくる 悪徳業者が勧めてくる「不要な交換・整備」の内容

詳細な説明をしないまま、不要な作業を勧めてくる整備士もいる(イメージ)

詳細な説明をしないまま、不要な作業を勧めてくる整備士もいる(イメージ)

 今回のビッグモーター問題はあまりに悪質とはいえ、素人にとって車の整備費用は不透明でわかりにくい点が多いのも事実。マイカー所有者に課せられた車検時など、ディーラーや工場に勧められるまま、不要な整備を行なっているケースも少なくないという。

 そもそも車検(自動車検査登録制度)は、車が道路を走るうえで安全面や環境面の保安基準を満たしているかを検査する国の制度だ。自家用車の所有者は、新車登録後3年、以降は2年ごとに継続検査を受け合格することが義務付けられている(普通車の場合)。

 日本自動車ジャーナリスト協会会員の自動車ライター・萩原文博氏が解説する。

「車検はあくまで公道を走る最低限の保安基準を満たしているかを検査するもの。それとは別に車の使用者に義務付けられているのが、事故や故障を未然に防ぐ目的で点検・整備を行なう『法定12か月点検』や『法定24か月点検』です。2年に一度の車検時に合わせて行なうことから“車検整備”と呼ばれます」

 車検整備ではエンジンやブレーキ、タイヤなど安全に直結する57の点検項目が法律で定められ、不具合が見つかれば修理や部品交換が必要になる。マイカー所有者なら、「車検は高額な費用がかかる」との印象が強いかもしれない。

 車検整備を請け負うのは、主にディーラーや町の整備工場、専門の車検代行業者やガソリンスタンド併設の工場などで、車検時に共通してかかるのが、整備点検の「基本料」や「法定費用」と呼ばれるものだ。

 基本料は業者により異なり、車両重量1.1~1.5t以下の国産中型車で1万5000~3万円が現在の相場。この場合の「法定費用」は自賠責保険や重量税、印紙代などで約4万5000円だ(登録後13年未満のガソリン車の場合)。

不安を煽る

 これだけなら費用は6万~7万5000円で済むことになるが、一度でも車検を経験した人なら、「それだけでは済まない」と感じるだろう。

 前述の基本料にプラスされるのが、点検で発覚した“不具合”を修復するための費用で、工賃のほか、部品代などが「見積もり」に記されて提示される。萩原氏が言う。

「たとえばタイヤの溝が深さ1.6mm未満の場合は車検を通らないため、どんな業者に整備を依頼しても交換が必要です。ところが、溝の基準をクリアしていても、『車検に落ちるかもしれない』と不安を煽り、交換を勧めてくる業者がいます」

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