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【老後の人間関係】高齢になって“新たな友人”を作ることのリスク 「友人関係を悪用」「怪しげな投資に勧誘」に注意

老後の友人作りには落とし穴も(イメージ)

老後の友人作りには落とし穴も(イメージ)

 内閣府の「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(2020年度)によると、60歳以上の日本人の約3人に1人が「親しい友人がいない」と回答した。近年は意識的に友人関係を“断捨離”するケースもある。家族問題評論家の宮本まき子氏が言う。

「友人を断捨離する一因に、『年金暮らしで金銭的余裕がない』実情があります。出費の心配から友人と距離を置き、相談や世話をし合う人は家族だけという方も少なくありません。見栄を張らず等身大で付き合う工夫をしてみましょう」(以下「 」内同)

 宮本氏は住んでいる地元の友人作りを勧める。

「定年後は地元に少なくとも2~3人の友人発掘に勤しみましょう。世間話をしたり、ちょっとした悩みや不安を話せる人がいれば、視野が広がって孤独にならずに済みます。ペット仲間や自治会仲間などの付き合いを深めておけば、緊急時も助け合えるでしょう」

 一方、高齢になって新たな友人を増やすことにはリスクもある。

「相手の人柄や価値観、過去の背景や家族像などが十分にわからないまま付き合い始めると、最悪の場合、友人関係を悪用される恐れがあります。『友人がほしい』と焦る心につけ入られて“ババ”を掴む恐れがあるので要注意です」

 宮本氏の知人でも、隣人を好意で車に載せたらその後「足代わり」にされたり、怪しげな投資話にしつこく勧誘された例などがあったという。

「気が合わない、怪しいと感じたら、『三十六計逃げるに如かず』で、早急に相手と距離を置くこと。体調不良や親の介護など、口実はなんとでもなります。とにかく、その相手から離れることです」

 新たに友人関係を築くのが難しければ、放置してきた関係を再構築するのも一手だという。

「小中高の友人に年賀状を出してみては。懐かしく感じて連絡をくれたら旧交を温めましょう。はがき代63円で繋がるコスパの良さは大きな魅力です」

 近頃流行りの“年賀状じまい”の逆を検討してもいいかもしれない。

※週刊ポスト2023年9月1日号

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