田代尚機のチャイナ・リサーチ

【中国・青島ビール「放尿事件」のその後】調査報告書は「製品への混入はない」と結論、企業側も対策発表し業績への影響は軽微

騒動の青島ビールの業績への影響は(Getty Images)

騒動の青島ビールの業績への影響は(Getty Images)

 中国国内のみならず日本でも大きく報道された青島(チンタオ)ビールの「放尿事件」だがその真相について、事件が起きた管轄地域の山東省平度市調査チーム(公安局、市場監督管理部門などの職員から構成される調査組織)は11月1日、報告書を発表した。

 青島ビールといえば中国を代表するビールブランドの一つで、その製品は日本にも輸入されている。日本の消費者にとっても“製品の中に混入してしまったのかどうか”は気になるところだろう。

 まず、事件の詳細についてだが、原料工場から委託を受けた物流会社のトラックが10月19日7時頃、33.96トンの麦芽を積んで、青島ビール第三工場に到着した。その後計量を終えて、積み荷の卸を待っていた。

 12時20分頃、積み下ろし業務の委託を受けた会社の作業員3名が作業手順に従ってトラックのコンテナ部分の下部にある積み下ろし用の口を開き、麦芽が自動で工場内に導入される入口に落とし込む作業を始めたのだが、12時40分頃、積み下ろし作業員の一人とトラック運転手の間で、トラックの移動を巡り、口論となった。

 13時4分、コンテナ内に残った少量の麦芽について、最後まできれいに処理するよう指示された作業員は口論の腹いせに小便をして残りを流し入れたのだが、トラック運転手はその行為をスマホで録画し、証拠を残した。ちなみに、この時の行為は、監視カメラでも確認されている。

 後ほどトラック運転手がこの映像をSNSにアップしたことで、世間一般に広く知れ渡るようになってしまった。

 この事件を巡り中国公安局は10月22日、小便をした作業員を故意に財貨を棄損した罪で行政拘留した。また、青島ビールに対して、汚染された麦芽をすべて密封し、無害化処理を施し、食品生産加工ラインにそれらが混入しないように指示し、監督したと説明している。

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