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線路に敷き詰められた「砕石」の重要な役割 新幹線には砕石を使わない軌道もあるのはなぜか?

「バラスト」と呼ばれる砂利(砕石)を敷き詰めた線路

「バラスト」と呼ばれる砂利(砕石)を敷き詰めた線路

 鉄道は、多くの人にとって交通の手段としてだけでなく、趣味や娯楽の対象としても親しまれており、ときに人々の知的好奇心を刺激してくれる。交通技術ライターの川辺謙一氏による連載「鉄道の科学」。第18回は「線路の砂利」について。

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 駅のホームから線路を見下ろすと、たいていの場合、「バラスト」と呼ばれる砂利(砕石)が敷いてあるのが見えます。レールを締結するまくらぎは、バラストを敷いた部分に埋め込むように置かれています。

 ここで問題です。バラストは何のために線路に敷いてあるのでしょうか?

 その理由は複数存在します。ここでは、線路の構造をざっくりとおさらいしてから、その理由を整理して説明します。

 鉄道の線路には、「軌道」や「路盤」と呼ばれる部分があります。軌道は電車などの車両が通行する通り道、路盤は軌道を支える基礎部分です。

 冒頭で紹介した線路の軌道は、「バラスト軌道」と呼ばれるものです。路盤の上には、バラストを一定の厚さで盛った「バラスト道床」があり、その上に置かれたまくらぎに、2本のレールが締結してあります。バラストは、まくらぎを下だけでなく横からも支えており、車両の通過や、温度変化によるレールの伸縮で、まくらぎが移動するのを防ぐ役目も果たしています。

バラスト軌道とスラブ軌道の構造

バラスト軌道とスラブ軌道の構造

 つまり、線路のバラストは、ただ地面に敷き詰めてあるのではなく、まくらぎを介してレールを支えるという重要な役割を果たしているのです。

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