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目黒区の高級住宅街に住む共働き家庭の塾選び「息子が学童を嫌がるので」 それが中学受験“課金ゲーム”の入口だった

世帯年収1400万円は目黒区では「平均以下」の体感

 今回、紹介するのはA子さんのケース。東京・目黒区在住40代で中堅メーカーの営業部門にいる。夫と息子の3人家族だ。

「家賃相場が安かった2014年頃に入居した古い賃貸マンションに10年以上住んでいます。私は客先に行くことが多く、夫は週に3回出社なので、都心に出やすい場所に住まないとやっていけません」

 目黒区は高級住宅地が多く、かつては高収入男性と専業主婦の夫婦世帯が多かったが、今は共働きも多い。

「元々、専業主婦が多かった街なので、保育園やスーパーも少なくて住みやすい街とはいえないです」(A子さん)

 交通の利便性はいいが、暮らしづらい。そんな街に住んでいるのは共働き家庭が多いという。A子さん同様、通勤などの利便性を重視するからだ。専業主婦家庭ならもっと暮らしやすく、物価も不動産価格も安い郊外を選ぶのだろう。

「ママ友との付き合いができて分かったのは、このあたりで子育てをしている夫婦は世帯年収2000万円以上がざらということです。派手さがなくて、感じがいい人たちほど、世帯年収が高い。超大企業の部長をしているママや内科医ママとかは、ママひとりでうちの世帯年収ぐらい稼いでいますからね。そういうママたちは熱心に早期教育するわけでもなく、小学校受験にも興味がなくて、付き合いやすいんですけどね」

 一方で、A子さんの年収は700万円、夫も同じぐらいで世帯年収は1400万円ほどだ。

 2022年度の東京23区内の子育て世代の年収の中央値は986万円。それよりは400万円ほど高いから、A子さん夫婦は十分に経済力があるといえるが、「住んでいるところがネックでしょう。家賃も物価も高いです。コロナ禍前にマンションを買おうかとも検討しましたがやっぱり価格が高くて……。ペアローンはリスクがあるので住宅ローンは夫の名義で組みたいと思うとなかなか手が出なかったんです」という。

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