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【注目トピックス 日本株】いい生活 Research Memo(1):2024年3月期第3四半期も増収、サブスクリプション売上高比率は88.2%

*14:01JST いい生活 Research Memo(1):2024年3月期第3四半期も増収、サブスクリプション売上高比率は88.2%
■要約

いい生活<3796>は、不動産会社に向けて賃貸管理や仲介サービスなどをカバーするクラウドベースのソフトウェア(SaaS)を提供している企業である。「テクノロジーと心で、より良い生活を創造する」という使命を掲げ、快適な生活が継続する社会を構築することを目指している。同社は不動産業界に焦点を当て、物件取引、顧客情報などを包括的に管理できるクラウドプラットフォームを通じてサービスを提供し、業界内での効率化と収益増加に貢献している。プラットフォームの主構造は、業務の効率化を促進する多くの機能を備えているサブスクリプション(月額課金型)サービスである。さらに、顧客のITリソースが限られている場合に備えて、システム設定、運用支援、カスタムツール開発などのソリューションサービスも提供している。2024年3月期第3四半期の売上高も順調に推移しており、サブスクリプション売上高は前年同期比8.0%増加の1,809百万円(売上高比率88.2%)と安定した収益構造を確立している。

1. 2024年3月期第3四半期の業績概要
2024年3月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比4.0%増の2,051百万円、EBITDAが同2.5%減の468百万円、営業利益が同25.2%減の110百万円、経常利益が同6.8%減の138百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.3%減の88百万円となった。全体として要件の複雑化、案件規模の大型化、期間の長期化などの傾向にあり、そのためソリューション売上については前年同期比で減収となった。一方で、エンタープライズ企業への同社SaaSの新規導入や、既存顧客への既存顧客への単価を向上させる取り組み(アップセル)・別の商品を提案する動き(クロスセル)などにより、SaaS の月額利用料について平均顧客単価は引き続き上昇し、サブスクリプションサービスの売上は好調に推移した。

2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の期初予想は、売上高で前期比9.4%増の2,950百万円、営業利益で同28.1%増の300百万円、経常利益は同30.4%増の308百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同29.3%増の204百万円としていたものの、2024年4月の修正予想により、売上高は前期比4.2%増の2,810百万円、営業利益は同23.9%減の178百万円、経常利益は同10.4%減の211百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同6.2%減の148百万円に下方修正した。売上原価や販管費などの経費は計画通りに進むも、売上高が計画よりも少なかったため、利益面も予想より低くなる見込みである。

3. 中長期の成長戦略の概要
同社は中期的な数値目標として、顧客法人数5,000社、1顧客当たりの平均月額単価(ARPU)10万円以上、年間売上高60億円以上を目標にしている。成長戦略については、「顧客基盤の拡大」「収益力の強化」「将来への布石」を挙げ、サービスの進化及び導入支援顧客サポート体制の充実を目指す。また同社は2023年4月、「人的資本拡大に関する基本方針」を策定した。この方針では、社会と会社、会社と従業員の双方にとって有益な関係を目指すことに焦点を当て、同社のミッションとビジョンを明確にし、組織の存在意義と目指すべき未来像を具体化している。

■Key Points
・2024年3月期第3四半期は増収となり、SaaSのARPUは引き続き上昇
・2024年3月期は2024年4月に下方修正し、売上高は2023年3月期より増加するも、利益が期初予想より低くなる見込み
・中長期な数値目標を顧客法人数5,000社、平均顧客単価月額10万円以上、年間売上高60億円以上としている

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

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