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【注目銘柄】ステラ ケミファ:高い株主還元効果を期待できるニッチトップ

ステラ ケミファ(4109):市場平均予想(単位:百万円)

ステラ ケミファ(4109):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 ステラ ケミファ(4109)は、フッ素化合物を中心とした高純度薬品の製造販売を行う化学メーカー。

 フッ素の反応・精製の独自技術により、半導体向けエッチング・洗浄用薬液、リチウムイオン二次電池用材料、ステンレス表面処理剤、濃縮ホウ素、反応触媒など、多種多様なフッ素化合物を製造・販売しています。特に半導体製造向けに強く、洗浄工程とエッチング工程に使われる高純度フッ化水素酸では世界トップシェアを誇ります。

 フッ素化合物の製造販売は「高純度薬品事業」として展開されており、2024年3月期においては売上の86%を構成しました。(このほか、フッ素化合物の運搬を足掛かりに始めた「運輸事業」も手掛け、フッ素特殊化学物質や高圧ガス、危険物の運搬を提供しています。)

 顧客は多様な分野に広がっていますが、半導体製造向けが売上の7割を構成します。

 半導体向けでは、半導体製造工程に必要不可欠な洗浄やエッチング用の高純度薬液・機能性薬液を製造・販売しています。

 半導体は、微小な不純物があるだけでも性能が落ちるため、それをしっかり洗浄する必要があります。そしてもちろん洗浄液に使用される薬品も不純物を極力排除した非常に高いレベルの純度が求められることになります。

 同社は、99.9999999999%以上の高純度精製に成功し、「トゥエルブ・ナイン(不純物の濃度1ppt = 1兆分の1 = 12N(Twelve nine))」と呼ばれる超高純度フッ化水素(UHPHF)を製造できる数少ない企業となっています。最先端半導体の製造に欠かせない存在です。

 現在、トゥエルブ・ナインを製造できる化学メーカーは、同社と森田化学工業とされ、世界市場を寡占する状況となっています。

 なお、ビジネスリサーチインサイト社によると、世界の超高純度フッ化水素酸の市場規模は、2022年に8億3070万ドルに達し、2028年までCAGR+8.5%で成長して13億5600万ドルとなると予想されています。

注目ポイント

 高純度薬品事業の顧客は半導体業界が7割を占めますが、エネルギー関連や電子材料などにも広がっています。

 2024年3月期における業界別売上構成比は、エネルギー4%、工業用3%、電子材料2%、一般製品8%、残りの12%が仕入れ商品による売上でした。

 このうちエネルギー部門が最も高い成長を遂げており、2024年3月期においては半導体関連はじめ他の部門が全て振るわない中15%の成長を記録。2025年3月期には売上倍増が予想されています。

 エネルギー部門では、リチウムイオン二次電池の性能を向上させる添加剤や、原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)を製造・販売しています。伸びているのは濃縮ホウ素。中性子を吸収するホウ素の濃縮技術を生かし、使用済み核燃料貯蔵容器や中性子遮蔽材料に使用されています。海外を中心とした原子力発電所の新規導入や増設による需要の恩恵を享受しています。

 リチウムイオン二次電池も、今後EV(電気自動車)市場を中心とした需要拡大が予想され、全体として事業環境の明るい部門となっています。

 この他、LEDに使われる蛍光体関連材料や、コンデンサー材料用製造助材、カメラ・ステッパー用レンズ原料など電子材料関連、医薬品の中間体製造時の触媒や歯磨き用添加剤など一般製品など、様々な分野の製品製造に同社の高純度薬品が使われています。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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