「米金利の上昇は正常化への道ではありますが、景気回復への期待感が高まりすぎると長期金利が上昇して、株よりも国債が有利と見られるような状況に陥る。そうなれば、現在のような債券から株式への『グレートローテーション』が逆回りするかもしれません。そもそも世界的なマネーの流れというのは、直接的な動きがなくても、それに対する警戒心が出てくるだけで動きかねない。1987年のブラックマンデーに見られたように、株式から債券へのシフトが進む可能性も否定できません」
他にもリスク要因は少なくない。
「米国の保護主義が行きすぎると景気の低迷を招くリスクもあります。加えて、今年はイタリア、ドイツ、フランスで選挙があります。EU内でも保護主義が台頭しており、昨年のブレグジット(英国のEU離脱)のようなショックを引き起こす可能性もあります。
さらに中国の景気失速、政権基盤の揺らぎなどは世界経済にも影響を与えるほか、世界的なリスク回避の高まりで安全資産とされる円が買われることも予想されます。円高になれば日本株が売られる可能性も高まります」(同前)
かつてブラックマンデーが10月に起こったように、世界的な株価暴落は秋口に起こりやすいといわれる。「7の年のアノマリー」とあわせて、今年後半の株式市場には警戒が必要かもしれない。