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【注目銘柄】古野電気:メンテ事業による安定収益基盤拡大で更なる伸びを期待

古野電気(6814):市場平均予想(単位:百万円)

古野電気(6814):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 古野電気(6814)は、魚群探知機や船舶レーダーなどを取り扱う船舶用電子機器総合メーカー。

 海の安全を守る船舶用レーダーや電子海図システム、漁業を支える魚群探知機やソナー、またカーナビなどに使用されるGPS受信機、火山噴火予知のための地盤変位計測システム、骨密度測定装置など、さまざまな製品を展開しています。

 展開する事業は、船用事業(24/2期売上構成比85%)、産業用事業(11%)、無線LAN・ハンディターミナル事業(3%)、その他(1%)の4つから成ります。

 同社の創業は1948年で、世界で初めて超音波を利用した魚群探知機の実用化に成功した古野電気を前身とします。その後1955年に「世界のフルノ」を宣言し、翌年から海外への輸出を開始しました。世界的なパイオニアとして市場開拓に成功した同社。今では80か国以上に販売拠点を持ち、売上の68%を海外で稼ぎ出しています。

 主力で祖業の船用事業は世界でも名高く、同社は総合舶用電子機器(マリンエレクトロニクス)メーカーとして、世界15%のトップシェアを獲得しています。特に商船向けレーダーにおいては41%もの圧倒的シェアを誇ります。

世界トップポジションを築いた技術

 船用事業の技術は、他の事業で使われる技術の大元となっています。

 魚群探知機と骨密度測定装置というのは事業領域が全く異なりますが、同社の事業テーマ「見えないものを見えるようにする」に則って考えると、どうしてこの事業展開をしているのかがイメージできます。

 具体的には、超音波や電波を使って通常では見えないものを「探れる」製品を開発し、市場に投入するということです。例えば、超音波を使って魚の群れを探したり、電波を発射して濃霧の中や夜間でも周囲の船などの障害物を探したりできる製品です。

 このテーマを実現するための基盤技術は、創業からの超音波センサー技術、衛星測位技術、無線通信技術の3つから成ります。

 同社は、これらコア技術を船用のみならず、ヘルスケアや通信、教育に活用することで、事業領域を拡大しているというわけです。例えば、カーナビゲーション用GPS受信機やデジタル放送設備向けのGPS応用製品、ETC車載器などのITS機器、原子時計並みの時刻情報を提供する時刻同期用GNSS受信機、また骨密度測定装置や性化学分析装置などの医療機器が開発されています。

 一見ばらついて見える事業も実はコア技術で繋がっているというわけです。

グローバルネットワーク

 技術力に加えて同社の競争力となっているのが、グローバルネットワークです。同社は世界80か国以上に販売拠点を持っており、これが世界中の地域毎に異なる製品ニーズや保守ニーズにスピーディに対応することが出来る力となっているのです。

 例えば、1万トン以上の船舶にはレーダーの積載が国際条約で決まっているのですが、その機器に不具合があれば出港ができない、といった事態にも迅速に対応できると言った具合に対応できるなど。

 そうして多くの製品ニーズを捉えることで、ビデオロラン(船舶用航法装置)や潮流計、海鳥探知機、また舶用レーダーの小型化など多くの“世界初製品”を生み出してきたのです。つまりグローバルネットワークは単なる販売拠点ではなく、地域の法規制対応や天候、地形に合わせた製品ニーズを拾い上げるための事業拠点となっているというわけです。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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