株主が求めているもの
問題ある企業は資本を投じている投資家=株主を軽視している
──いえいえ。投資先を決める時に、問題点は把握しておきたいですし、その見分け方はすごく知りたいです!
サマンコー:ここで、ちょっと投資家=株主について改めて一言お話ししようかな。株主が求めていることは大きく2つある。わかるかな?
──「配当金」を受け取ること。保有している株式の数に応じて会社の利益の一部を配当として受け取ることですよね。あと1つはなんだろう?
サマンコー:そうだよね。あともう1つが「株価」だ。資本金は基本的に返却されないものなんだけど、株式会社の場合は出資した分を株式という証券にして売買することができるんだ。株式を買っただけで資本金を出資していないと思うかもしれないけど、実は株式を買うことで資本金を出資した人の立場を引き継いでいるんだ。過去に出資された資本金よりも株価が安かったら投資金額を回収できないだろ。会社が出資された資金を上手く増やしてくれれば株価は何倍にもなることがある。これが株式投資の醍醐味なんだ。
──株主としては、会社が成長することを期待して株を買いますよね。
サマンコー:でも問題のある企業の場合、これらの株主の求めることをとても軽視しているんだ。株主になった以上は、その会社に儲かってもらって、株価を上昇させてほしいと思うのは当然だろ。成長するために資金を設備投資に回すなら良いけど、株価がPBR1倍にも満たないのに余剰な資金を貯め込んだり、他社の株式を購入したりするなんて言語道断だよ。それなら追加で配当を出したり、「自社株買い」などの施策を打ったりして、株価を少しでも引き上げる努力をするのは当然のことのはずだ。それなのに、まったくこうした努力をせず、おかしなことをしている企業がたくさんあるんだよ。