パチンコホールの店舗減少が続いている(イメージ)
年々その数が減少しているパチンコホール。警察庁が4月に公表した統計資料『令和6年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について』によると、2024年(令和6年)末時点における全国のパチンコホール数は6706店舗で、前年の7083店舗から377店舗減少した。全国でおよそ1万7000店舗が営業していた1995年のピーク時から比べると、半分以下にまで減少している。
さらに同資料によると、2024年末におけるパチンコとパチスロの併設店は6238店舗、パチスロ専門店は468店舗。パチスロ専門店は前年から25店舗増えており、パチスロ人気の高まりを感じさせる数字となっている。パチンコ・パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「警察庁の資料を見ると、パチスロ専門店の数は2021年が768店舗、2022年が611店舗、2023年は443店舗と減少しています。これはコロナ禍とともに、5号機と呼ばれるパチスロ機の完全撤去の影響があります。5号機については射幸性の高さが問題となり、2018年に登場した射幸性が抑えられた6号機へと移行していくわけですが、その過渡期でパチスロ専門店が減少していきます。そして、2022年の前半で5号機が完全にホールから消え、このタイミングで営業をやめるパチスロ専門店も少なくありませんでした。
そうしたなか2022年11月に、メダルを使わないスマートパチスロ(スマスロ)が登場します。スマスロはメダル機の6号機よりも出玉性能が高く、5号機時代に匹敵する機種も多かったため、徐々に人気を獲得。その結果、パチスロ専門店が再び増加しました」
同資料では、全国のホールにおけるパチンコ、パチスロの総設置台数も公表。2024年末でパチンコ機の設置台数は196万9913台で前年から10万7727台減、一方の2024年のパチスロ機の設置台数は135万5839台で前年から8373台増加している。
「パチスロ機の設置台数が増えているといっても、パチンコ機の減少数をカバーするには到底及ばない数です。状況としては、パチンコが大きく低迷しているなか、パチスロがどうにか現状を維持しているというイメージ。ただ、現在のユーザーはパチンコよりもパチスロの支持が高いのは事実で、パチンコの設置台数を減らし、パチスロを増やすホールも多くなっています。今後もその傾向は強くなっていくのではないでしょうか」(藤井氏)