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ビジネス
大阪財界の利権・序列・闇

維新の行政改革を追い風にパソナが大阪・関西でビジネスを広げる構図 大阪府も大阪市も「パソナなしでは業務が回らない」現状

大阪府も市も「パソナなしでは業務が回らない」

 それでもパソナへの委託は続く。大阪府と大阪市は2024年、国際的な金融都市を目指す「金融・資産運用特区」に国から指定された。国際金融都市構想をめぐっては、ネット証券大手・SBIホールディングスの北尾吉孝・社長が維新の吉村洋文・代表にトップセールスを仕掛けて進められた経緯がある。大阪進出を希望する海外の金融機関から人材採用などの相談を受ける「国際金融ワンストップサポートセンター大阪」が設立され、その運営業務もパソナが受注した。

「いまや大阪府も市も、維新による人員削減でパソナなしでは業務が回らないのが実情だ」(前出・大阪の地方議員)という。

 そうして大阪行政を担うパソナだが、2022年8月に退任した竹中平蔵・前会長と維新の深い関係もある。

 竹中氏は小泉内閣の経済財政相として規制緩和の旗を振り、維新の国政進出にあたっては「候補者選定委員長」に就任。直近でも日本維新の会のガバナンス委員会メンバーを務めるなど、党のブレーンとして知られる。

『誰が「橋下徹」をつくったか 大阪都構想とメディアの迷走』などの著書があるノンフィクション作家・松本創氏が語る。

「維新を創設し、大阪府知事・市長(2008~2015年)を務めた橋下徹氏は竹中氏の考えに共鳴し、行政改革に反映していった経緯があります」

 竹中氏は維新のブレーンとして大阪府市の改革を後押しする一方、経営者としては大阪行政に関係した業務を拡大した構図に見える。そうした構造についてパソナは「大阪市の行う公募プロセスに適正に応募して受注しております」(広報部)と回答した。

 もっとも、こうした維新の改革に商機を見出す企業とは別に、大阪をはじめ関西で大きな存在感を放つ企業群もある。関連記事《「パナソニックやサントリーもトップになれない」関西財界“名門企業”ランキング 関西電力「完全復活」の契機となった大阪維新の会との原発を巡るバトル》では、関西財界の名門企業をランキング形式で紹介、西の財界王者・関西電力が「完全復活」できた理由について詳報している。

※週刊ポスト2025年5月2日号

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