閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
投資
資産4億円超・京大卒ヘムさんの投資術

資産4億円投資家ヘム氏が解説する、暴落時の「計画的な」買い向かい戦術 大前提は「手元資金の確保」、基本的な考えは「日経平均PBR0.8を底にして10分割で投入」

暴落時の買い向かいシミュレーション

 10回の暴落のうち、9回は切り返します。底値で買えれば押し目買いと同じ。そんな時に計画的に買い進むために、シミュレーションのやり方もお伝えしておきます。

 私は日経平均が直近高値から10%下落した段階で暴落時待機資金の投入を開始します。

 基本的な考えは日経平均PBR(株価純資産倍率)0.8を底にして10分割で投入します。

 PBR0.8を底値としているのには理由があります。以下は日経平均PBRの20年間のチャートです(別掲図参照)。

日経平均PBRの推移

日経平均PBRの推移

 暴落時に株価を支える拠より所は事業価値ではなく資産価値です。そこで1株当たりの純資産を示すPBRが底値を示唆する指標として利用できるのです。

 バブル崩壊、リーマンショック、オイルショック、超円高、コロナショック、これら全てを含めての日経平均PBRの過去最低値は0.81です。それもセリングクライマックスでの一瞬のタッチでした。ですから、この辺りを下限とするのが最も現実的なシミュレーションの数値でしょう。

 さて、ここからは具体例を使って、シミュレーションのやり方を説明していきます。前提条件は以下の通りです。

【1】投資元本1000万円、現在の時価1500万円、暴落時買い付け用待機資金500万円
【2】ポートフォリオの暴落時の対日経平均β値(*)は80%

【*β値:「ある会社の株価」が「TOPIX や日経平均等の市場全体の動き」に対して、どのくらい敏感に反応するかを表す数値】

 基点は2024年3月22日の直近高値41088円です。ここから、暴落が始まったと仮定します。

 1回目の資金投入目安は日経平均株価が直近高値から10%下落した36979円以下になったときです。

 このシミュレーションでは、日経平均PBR1倍が底となるような通常の暴落であれば、最悪期でも約29万円の含み益があるのがわかります(別掲図参照)。

暴落への備え 損益シミュレーション(β値80%の前提)

暴落への備え 損益シミュレーション(β値80%の前提)

 また、リーマン級の暴落で買い続けると底値と推測した日経平均PBR0.8倍付近では約231万円の含み損を抱えることになります。このような想定をしておくと、下落が続いても「シミュレーション通りだ」と心を落ち着かせて、計画的に買い向かえるようになります。

 シミュレーションでは、ポートフォリオの下落率は日経平均の下落率に対して80%としていますが、楽観的すぎると思うなら90%や100%に設定してください。私の場合は過去の経験則から、増配狙いの小型割安株中心のポートフォリオであれば、このくらいのβ値が適当だと思っています。

 皆さんには日経平均PBRの底値、β値、資金分割の割合の設定を変えて、自分で納得できるシミュレーションを複数作っておくことを強くおすすめします。

次のページ:暴落こそ入金のタイミング

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。