「前の髪型のほうが好きだったな…」というと厳しい口調で反論されて…
ファン同士であっても、トラブルにつながるケースがある。男性アイドルグループのファンで、メーカー勤務の30代女性・Bさんは、最初は職場で同じグループを推す人がいることが嬉しかったが、その気持ちに変化が生じてきたと明かす。
「同僚が推しグループのメンバーのフォトカ(フォトカード)をスマホケースの背面に入れていたことで、『私も好き』と盛り上がりました。周囲に同じ推しの人がいなかった私にとっては情報共有やグッズ交換などもできて、楽しい時間を過ごしていました」
しかし、その時間は長くは続かなった。徐々に「推しに対する熱量やスタンス」が違うことに気づき、戸惑うようになったのだ。
「私は、お金や日程、重要度でイベントやライブ参加、グッズ購入を決めるんですが、イベント参加の回数やグッズ購入金額の大きさなどでマウントを取られている感じになってきました。スタンスが違うのに、『えー、あれ行ってないの? ファンなのに?』みたいなことを言われると、ちょっと面倒くさくなってきて……」(Bさん)
Bさんは「推しに対する“全肯定主義”に疲れました」と語る。どういうことか。
「たとえ推しであっても、新曲、ライブ衣装やセトリ(セットリスト)がイマイチだったと感じることもあります。私はプラス面だけでなくマイナス面も共有したいタイプなんです。あるとき、『○○は前の髪型のほうが好きだったなー』と愚痴ると、彼女から『○○はどんな髪型でも似合うし、何より顔がいいから!』とちょっと厳しい口調で言われました……。
その日、同僚がライブ遠征時のおみやげを配っていましたが、私のデスクにはお菓子がありませんでした。1か月くらい挨拶も無視されました」(Bさん)