久留里線、途中下車の旅
4月初旬の日曜朝、このきっぷを使って久留里線の旅へ出かけた。
途中下車が無料で可能なきっぷの特性を生かして、蘇我駅で12分、八幡宿駅で19分、木更津駅で27分とそれぞれ駅周辺の散策を楽しむ。時間がかぎられているときは、あらかじめグーグルマップで面白そうなスポットを探していくとよい。特に見つからない場合は、航空写真で道路が不規則な曲がり方をしているところや、神社仏閣があるところ、大きな木が生えているようなところに歴史や面白いものが潜んでいることが多い。
久留里線の起点となる木更津は、大阪冬の陣で木更津の水夫24人が活躍したことで、東京湾での海運の特権が与えられ、その後の発展につながった。
それなら面白いのはやはり海側だろうと歩いてみた。比較的最近クローズしてしまった栄楽旅館、銭湯を改装した焼きそば店や熟女パブ、それに千葉県唯一といわれる花街の検番……。ただ乗り換えるだけではもったいない、ディープで魅力的な街である。
9時16分発の久留里線はステンレス製のキハE130で2両編成。桜の時期ということもあり、乗客の「鉄分」はさほど濃くなく、ハイカーの姿がめだつ。
今日は1日たっぷり久留里線を楽しむため、沿線各駅にあるものをグーグルマップでしらみつぶしに探しておいた。最初に下車したのは下郡駅。ここから田園風景を1.7km歩き、小学校をそのままグランピング施設にしたETOWA木更津へ。ここは、土日の午前中のみ、宿泊者以外もカフェ「会と話 by THE COFFEE」が利用できる。
小学校の校舎をグランピング施設にしたETOWA木更津。週末の午前中は宿泊者以外もカフェの利用が可能
と思ってきたら、この日は後に貸し切りで早じまい。さっそく空振りで終わってしまった。事前に問い合わせておけばよかったのかもしれないが、コーヒー1杯のために問い合わせるかどうかの判断も難しいところだ。
下り列車に乗るには時間が余るので、あえて上り列車をつかまえて東横田駅へ。この駅横にジャックという新しい飲食店がある。
フランス人の男性と日本人女性が営むこの店は朝食とランチもあるが、この日は折り返しが9分しかなくコーヒーのテイクアウトがやっと。ただ、提供されているランチは久留里線のイメージを凌駕する洗練されたものだった。
久留里駅近くにある木村屋金物店
横田駅前にあるレストラン「ジャック」。フランス人の男性と日本人女性が営む
久留里駅から1.6kmを歩いてレストランへ