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「早慶は600万円、MARCHは500万円」中国人の日本大学受験で“カンニング業者”が暗躍 替え玉の受験票は「受験生と試験を受ける人の顔写真をAIで合成」

業者が不正で使うとしたスマートウォッチ(廣瀬大介氏提供)

業者が不正で使うとしたスマートウォッチ(廣瀬大介氏提供)

 中国に拠点があるというもうひとつの業者からはJLPT・EJUともにデバイスを使用する方法と替え玉受験の2つの方法が提示された。

「受験生にはスマートウォッチかマイクロイヤホン、どちらかの方法を選んでもらいます。費用はいずれも2万元(約40万円)で、試験開始20分後に解答をデバイスに送ります。試験日までに何回かビデオ通話で練習も行なうので安心してください。

 替え玉の場合は費用が5万元(約100万円)で、受験票の写真には受験生と実際に試験を受ける人物の顔写真をAIで合成したものを使います」

 EJUを巡っては2019年6月に行なわれた試験で、眼鏡型カメラで試験問題を撮影していた中国人学生や留学生向け進学塾の関係者合わせて5人が偽計業務妨害の容疑で逮捕される事件が発生している。外部に送信された試験問題を業者が受け取り、解答を作成。依頼者である受験生のデバイスに解答を送っていた可能性も指摘されている。

 不正行為が発覚するリスクについて質問すると、担当者はこう自信を覗かせた。

「我々に受験の申し込みを任せてもらえれば、仲間の日本語学校教師が試験官をしている“指定会場”で安心して試験を受けることが可能です。日本の不正行為対策は中国の運営に比べて緩く、妨害電波を使用したり、監視カメラの設置、金属探知機検査、顔認証をすることもありません。これまでに失敗した事例は一度もありませんよ」

 指定会場の場所をチャットで確認すると、「中国で受験の場合ですと上海市内にあります。日本だと都内で都心部の特定の会場ですのでご安心ください」と返信があった。

 業者はその後、自分たちの手配によって難関大学に合格したという証拠として帝京大学と早稲田大学大学院の合格証の写真を送ってきた。

【プロフィール】
廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)/1986年生まれ、東京都出身。フリーライター。明治大学を卒業後、中国の重慶大学に留学。メディア論を学び2012年帰国。フリーランスとして週刊誌やウェブメディアで中国の社会問題や在日中国人の実態などについて情報を発信している。

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※週刊ポスト2025年5月23日号

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