今週のドル円注目ポイントは?
投資情報会社・フィスコが5月19日~5月23日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。日米財務相会談での円安是正の思惑から、円買い圧力が下押ししよう。ただ、米中の貿易交渉や首脳会談で両国の歩み寄りが期待され、ドルの下げ幅は限定的とみられる。米インフレ指標の伸びは鈍化し、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ余地でドル売りに振れやすい展開となりそうだ。また、米国経済の減速懸念は根強く、今週発表の製造業・サービス業PMIが低調ならドル売り再開の手がかりとなる。
一方、米トランプ政権は貿易相手国との交渉でドル高是正のスタンスを認めていないものの、台湾や韓国は通貨高に振れている。日米財務相会談での円安是正の思惑から円買い圧力は根強いだろう。
ただ、日本のインフレ指標は高止まりの見通し。日銀は米高関税政策による不確実性のほか、日本経済のマイナス成長にも対応を迫られるとみられ、早期追加利上げ観測の後退で円売りがドルを支える。また、スイスで開かれた米中貿易交渉で双方が関税引き下げを決め、その後の米中首脳会談で両国の歩み寄りが鮮明になれば、ドルは売りづらい展開とみる。
【米・5月製造業・サービス業PMI】(22日発表予定)
22日発表の5月PMIは景況感が改善されるか注目。前回は製造業が50.2、サービス業は同50.8だったが、節目の50を割り込めば減速懸念によるドル売りが強まる見通し。
【日・4月全国消費者物価コア指数】(23日発表予定)
23日発表の全国消費者物価指数(CPI)コア指数は前年比+3.5%と前回実績の+3.2%から加速が予想される。ただ、マイナス成長を受け利上げ観測は高まらず、円買いは限定的となる可能性がある。