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京大大学院生が「TOEIC替え玉受験」で逮捕 知られざる中国人業者の「カンニングビジネス」の実態、「何点くらいが希望ですか?」

中国向けSNSでは複数の業者によるTOEICの得点保証に関する投稿が確認されている

中国向けSNSでは複数の業者によるTOEICの得点保証に関する投稿が確認されている

「詐欺には気をつけてください」

 さらに同じくTOEICやTOEFLで点数保証を行なっているという業者Bにもメッセージを送ったところ、デバイスを使った方法のほかに、替え玉による方法を提示された。

「TOEICでの点数保証には、主にマイクロイヤフォンかスマートウォッチを使う方法が費用的にも安くて人気です。マイクロイヤフォンやスマートウォッチはこちらが提供するので購入する必要はありません。費用は3万元(約60万円)で試験前に前金として半額を支払ってもらい、試験後に残りの全額を支払ってもらいます」

 加えて、業者Bは替え玉受験による方法についてこう説明した。

「費用が少し高くなりますが、『替え玉受験』も可能です。受験票に使用する写真にはあなたの写真を基礎にして実際に試験を受ける人物の写真を合成したものを使います。そのため、替え玉受験の場合には受験の申し込みは我々が行ないます。

 試験後のスコアは日本での進学や就職の際に実際に使用できますので安心してください。替え玉受験を手配する業者のなかには詐欺業者も多く、もし受験票に本人写真のみを利用するという業者がいたらそれは詐欺ですので気を付けてください」

 詐欺の忠告までしてくれるほどの異様な親切さに違和感を隠せないものの、カンニング業者による中国人留学生たちへの勧誘の実態を垣間見た。逮捕された京大大学院生の素性はわからないが、全国の有名大学に不正が迫っている。一刻も早い対応が必要ではないか。

 * * *
 関連記事《早慶は600万円、MARCHは500万円…日本の大学受験での中国人向け「カンニング業者」の暗躍 「デバイス使用」と「替え玉受験」の2つの手口》では、「京都大学の合格率は70%以上だ」などと謳う中国人業者とのやりとり、留学する上で必須の日本留学試験の運営サイドや大学側の見解などについて、廣瀬氏が詳細にレポートしている。

【プロフィール】
廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)/1986年生まれ、東京都出身。フリーライター。明治大学を卒業後、中国の重慶大学に留学。メディア論を学び2012年帰国。フリーランスとして週刊誌やウェブメディアで中国の社会問題や在日中国人の実態などについて情報を発信している。

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